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幸の薄い女 ページ9

ブラッドsaid
連絡が来て、二分もかからなかったはずだ、それでもそこは破壊し尽くされていた。
一緒にパトロールしていたアキラの声で我に返る。
「おいお前!お前がやったのか!?」
声の先には白い、人間がいた、ここからでもわかるくらい、泣いていて、アキラの方を見ると少し驚いたような表情をした。
「あなたは…いえ、その、ごめんなさい…」
そういってそいつは、消えた。

「なぁブラッド、あいつはイクリプス、だよな?」
「…そうだろうな、これまでの被害を出すとは…」
たった一人のイクリプスが壊したのはサウスの倉庫街の一つ。

けが人はいたが、死者はいなかった。ただ、ここにいた人間はひたすら何かに謝っている、サブスタンスの影響かも知れないが、一体何に?
何のために?

「しっかしあの女、すげー幸薄そーだったな」
「そうだな、Aとは真逆だ」
濃いクマのある真っ赤な目は涙で濡れ、薄い唇は噛みすぎて血で目と同じ真っ赤に染まっていた。
……赤がきつくて、顔を覚えていない…なんと説明しようか。

Asaid
「ふーん、そんなことがねー、アキ君みた瞬間に御免なさい、かー」
「そうなんだよ!意味分かんねーよなー」
最近仲良くなったアキ君、共感が欲しくて同室のウィル君がいなくて、誰か知り合いを探していた処に偶然出会い、話をしてもらった。

「イクリプスかー、雑魚なら切り落とした記憶があるけど、女の子のイクリプスは知らないなぁ」
「そもそもお前っていつ死んだんだ?」
「そうそう、そこなんだよ!取りあえず、アルブ君…アッシュ君のメンターだったわけだから6年前には生きてたんだけど…」
そこからは全く思い出せない、断片すら何も。
「それにしても、何で倉庫街を破壊したんだろーな?」

倉庫街は、この間ボクがジェイ先輩とスト君と逃げ込んだ所だった。偶然、だよね…?

最近わかったことは18、19、20歳のヒーローとは意識すればペアリング出来るって事、何でだろ?
死んだ年は少なくとも19歳だけど…まぁそうなると19歳なのかな、やっぱり。

「さ、帰ろっか、オスカー君とブラッド君がプロテインバーで夕食済ませる前にね!」

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作者名:ナコナコ3 | 作成日時:2020年8月30日 6時

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