エリオスの亡霊 (ページ5)

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弟その２ページ5

マリオンside
「マリオン、このこが見えるか？」
「…何をいってるんだ？」
帰ってきて早々話しかけて来たガストが指したのは何もない空中だった、やっぱりこいつは頭がおかしい。

「え？やっぱり実体化見せないとだめなんじゃないかって？フェイスにやってたあれか？…マリオン、ちょっと待っててくれ」
そういうとガストは自室に戻る。
そして出てきたのは、ガストと同じ色の、女…
「……姉さん？」
「わ、マリィじゃん！」
間違いない、その呼び方は…

「あ、れ…名前が、出てこない…」
何も思い出せない、姉さんの情報は、何も…
あるのは断片的な思い出だけ。
「やっぱり、か…うん、説明するよ、スト君も体貸してくれてありがと」
そういうと姉さんは透明になった。
そうだ、姉さんは死んだんだった。

「…姉さんはよくうちに来て、ボクと遊んでくれたり、バイオリンを弾いてくれたりしたんだ」
「んー、バイオリンかぁ、チョークスリーパーと同じ要領だよねー」
「A、ホントにバイオリン弾けたのか？」
子供の耳であったが、ボクが上手いと思ったんだ、姉さんのバイオリンは上手い、例え絞め技と同じ要領でも。

「とりあえず今日はここに居座らせて貰おうかな」
「…ガスト、姉さんに体を明け渡せ」
「…言っとくけど、俺の意識もあるんだからな？」
「オマエは何もするな、ボクは姉さんに用があるんだ」
「流石女王様…」
鞭で叩くと姉さんが驚いた顔をしていた。
「マリィ…仲間を叩くなんて、めっ、だよ？」
こらっ、と姉さんが頬を膨らませる。怒り方が昔と変わっていない。

「とりあえず、今日はお願いねー」
「姉さんが良ければ何時までもここに…「ちょっとー、うちのAちゃん返して貰いたいんだけど？」
バンッと扉が開き、ぞろぞろと入ってくる。
「そーだ！Aは俺の姉ちゃんだかんな！」
「Aだって酒飲むの好きだろー？今夜、一緒に飲もうぜ」
フェイスとジュニアとキース。
「A、お前には聞きたいことがある、俺とこい」
「その男と一緒にいるよりはいいですよ？」
ブラッドとウィル、あとオスカー。

「ボクの姉さん、いやボクのAだ、全員叩きのめす」

「えーっと、何これ？」
「俺に聞かれてもなぁ」
二人ののんきな声が殺伐とした空気の中響いた。