エリオスの亡霊 (ページ4)

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ペアリングページ4

Asaid
ヴィグ先輩は少し苦手だった、だって、なんだか嫌なことを思い出しそうで。
「おい、大丈夫か？」
「……え？」
ボクがいたのは、窓の外、無意識に動いてたのかな？
百階以上あるこのビルで、こうしていると、自分が死んでいることがよくわかった。
うっわー、地面遠い！怖い！！

「えっと、アドラー君？だっけ、心配してくれたの？ありがとねー、でも、平気？」
彼は開かれた窓からかなり身を乗り出していた。
「俺の能力は風を操るやつだからな、平気だよ、そして俺はガスト」
「そっかー、よろしくね、スト君」
場所を空からビルに移す。

「なんか引き寄せられるようにこっちに来ちまったんだよなぁ」
「あ、ペアリングがフェイ君からスト君に移ったんだねー」
フェイ君の気配はないし、多分そーいうことなんだろーね。
「てことは、今俺に取り憑いてるのペアリングのか？」
「みたいだねー、ボクって面食いなのかな？フェイ君もスト君も格好いいし、スト君もフェイ君みたいに彼女いるの？」
フェイ君の爛れ具合はどうかと思うけどねー、彼女が何十人もいるって…女の子の方も了承してるのかなー、ヤバヤバじゃーん。

「あ、いや、俺はフェイスと違ってモテないし、女の人は少し苦手っていうか…」
「……それは、ボクが女らしくないと？」
顔も体型も割と女子っぽいと思ってたんだけど…ショック…
やっぱりボクって脳筋がにじみ出てるのかな…
「いや、Aは可愛いよ、なんか話しやすいっていうか、親しみやすいってやつ？」
「んー、まぁ、生きてたらアラサーだもんねぇ、食堂のおばちゃん的な？」
料理は、得意だった気がする、よーな…うん、得意だった、はず…あとでキース君達に聞いてみよ。

「あー、そういうことでもないんだが…何だろうな？」
「自分のことでしょ？もー…」
まぁ苦手に思われるよりはいっかー。
「よくわかんないけど、お姉さんは何時でも相談に乗ってあげるからねー」
恋愛相談もお手の物なんだからーと付け加え、彼の頭を撫でる。
その手はもちろん触れることもなく通り過ぎるだけだったけど。

「はは、その時はよろしく頼むよ」
そんな僕を彼は優しく笑った。
その笑顔は、何故か、知ってはいけないような、そんな気がした。
んー、そんなわけないか！