【ヒロアカ】20と1の一等星５ (ページ39)

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けれど、それがカイ君が決行しようとしている計画と何の関係があるのだろうか。敵(ヴィラン)を皆殺しにするつもりなら、今夜で無くともそれこそ私達がこの街に来る前に実行していたとしても何ら不思議では無い筈。わざわざ皆が滞在している時に実行する方が阻止される可能性もある訳で、このタイミングでやる意味が分からない。

「アンタが大人しくカイと一緒に居る事を望んでいれば、彼奴が計画の時期を早める事は無かっただろよ。この街の腐り切った人間全てを養分に、歳相応の姿を手に入れようなんて、ついでだった話がアンタのせいでそっちがメインになっちまってらァ」
「っ……！？」

私のせいで……？それも、この街の腐り切った人間って、敵(ヴィラン)やヒーローや警察だけでは無く、中毒者を皆殺しにするという事だろうか。

「そ、その……中毒者の中にはカイ君のお父さんも居るんじゃ……」
「カイの親父さんなら、もうとっくにカイの腹ん中だ。薬に溺れる親父さんを見てられなかったんだろうぜ」

それじゃあ、なに……？カイ君は自分のお父さんを殺したの？薬に溺れる姿を見たくなかったから……？もう、そうする事でしか救えないと、そう思ったとでも言うの……？

「なぁ、Aチャン。彼奴を止めたいならアンタが彼奴の傍に居てやれよ。さっき仲間から報告があったが……外部のヒーローがこの街のヒーローや警察を一斉検挙したんだと。直に他の中毒者も順に捕まるだろうってさ」

そう何処かやるせなさそうに告げるキオさんはその複雑な思いを口に出す事は無かったけれど、自分達の手でこの街を救いたかったのだと、その目が物語っていた。

「これからこの街は漸くまともに生まれ変わる。カイもアンタが居れば、敵(ヴィラン)を駆除を後任のヒーローに任せるだろうし、計画を実行せずに済む。要はこれ以上、カイに人殺しをさせたくなきゃ、アンタが傍に居てやれって話だ」

今ならまだ間に合う。と、言葉を続けるキオさん。それはつまり、皆やお父さん、それに焦凍君とも一緒に居られなくなるという事……？皆を捨てて、救いの手を差し伸べてくれたお父さんを裏切って、焦凍君に背を向けてカイ君を選べと、そう言っているのだろうか。