２３４ 緑谷side ページ47
「緑谷…!!お願い!!Aちゃん…Aちゃんが居なくなっちゃう…っ」
「葉隠さん……」
「分かんない、分かんないけど…!!Aちゃんが何処かに行っちゃう気がするの…!!」
泣き崩れる葉隠さんに寄り添う耳郎さんは「取り敢えず、こういうのヒーロー志望としてあんまやりたく無いけどさ」と耳からチューブを窓に突き刺して、もう片方のチューブを小さなスピーカーに接続し始める。
『クソジジィ！！！』
スピーカーから聞こえた彼女の声に「盗み聞きって…悪趣味だって分かってる。けど、心配なのはウチも一緒だから…もし、増方が拉致されそうになったら行ってよ」と耳郎さんは葉隠さんの背中を擦り続けた。
『…これだけ派手に挨拶したんだ。直ぐにでも此処の教員達が出て来る。その前にさっさと失せたらどうです？』
攻撃的な物言いのAちゃん。声色からお爺さんを相当警戒している事が分かった。だけど、彼女が此処まで警戒する理由は何…？ただ、お爺さんの家に住む事を拒絶しているだけとは思えない。
『それ程までにクラスメートが大事か。お前達の会話など聴力を増幅すれば意図も簡単に聞こえて来るわい』
お爺さんの言葉に冷や汗が流れる。僕だけじゃ無い。恐らくこの場に居る全員が生唾を飲み込んだだろう。
『お前の交友関係は把握している。いつまでも共に居たいのだろう？私に歯向かってそれが叶うとでも本気で思っている訳ではあるまいな？』
「あの野郎…!!俺等を使って増方脅してんのかよ…許せねぇ！！」
彼女が僕達を関わらせたくなかった理由はこれだ。切島君が苛立つのもよく分かる。僕だって…正直、相手が彼女のお爺さんでも怒りを感じざるを得ない。
『皆の為になんて言うつもりは無い。そんなのは僕のエゴだ。だから、これは僕の為に僕が選んだ生き方だ。もう一度言う、僕はジジのものにはならない。この個性も僕自身も誰にもくれてやるつもりは無い!!』
彼女の言葉にある可能性が浮かび上がり、思わず轟君を見ると、轟君は静かに頷き「俺と同じだ」と告げる。
轟君と同じ…それはつまり個性婚の事だろう。だけど、彼女の両親は増幅増殖の個性をどちらも持っていない。とすれば…考えられるのは、彼女の祖父母だ。
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パル(プロフ) - ウサギさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!良い文なんてとんでもないです！1日で読んで下さったんですかΣ(・ω・ﾉ)ﾉ有難う御座います!!(><)これからもﾀﾞﾗﾀﾞﾗとした進行度ではありますが、どうぞよろしくお願いします!! (2018年6月1日 11時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ウサギ - 良い文ありがとうございます。 今日発見したが、すごくおもしろくて一日で全部読んでしまいました。 これからも頑張ってください。 (2018年6月1日 11時) (レス) id: 7b63bf87a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2018年5月22日 20時
