２２９ ページ42
「なん、で……」
「公園で遊んでた時にね…Aちゃんは寝てたから知らないだろうけど…」
「いつ！？」
「え？えっと…Aちゃんのご両親が日本を経った後くらいだったと思うけど…」
「っ…！！」
と言う事はあれか、ジジは昔から僕が日本に居る事も出久と勝己の家に居候している事も把握してたって事か。把握していながら今まで僕を泳がせていたと……そういう事か…ｯ!!
勝己だけじゃない…あのクソジジィの標的は出久や、二人の家族にまで及ぶかも知れない。僕が大切にする者を初めから利用するつもりで野放しにしていたのだろう。虫唾が走る。
「なぁ…えっと、事情はあんま分かんねぇけど、お前の爺さんだろ？何もそんなに毛嫌いする必要も無くねぇか…？」
控え目に口を挟んで来た上鳴は「兎に角、要はお前を無事に爆豪か緑谷の家に送り届けりゃ良いんだろ？」と何にやる気を出しているのか、楽しそうに笑うと「俺達も協力するぜ！！」と言い出した。
「必要無い…ｯ!!」
「ちょ、Aちゃん…皆、Aちゃんの為を思って言って…」
「僕の為？やめてよ…違うだろ。所詮、エゴを満たしたいだけじゃないか。僕の為じゃない。僕の為だと言うなら関わらないでくれよ…！！」
怒りに任せてﾊﾞﾝｯ!!と机を叩いた時、ﾊｯと我に返り、自分が言ってしまった言葉の数々が心配するクラスメートを傷付けてしまったのだと理解した。
違う…そうじゃない。分かってる…ただ、上鳴もお茶子ちゃんも心配してくれただけだ。それなのに僕は……っ、こんなの八つ当たりじゃないか。
「……ごめん。でも、本当にやめて。あの人に関わると…ダメなんだ。お願いだから……誰も来ないで」
逃げる様に教室から飛び出して、ジジの居る校門をへと向かう。
誰かの為に何かをする。そんな自己犠牲で得るエゴなど必要無い。だけど、僕のせいで皆に害が及ぶのだけは嫌だ。
守るんだ…最後だから、友達になってくれたクラスメート達が大切だから……
「クソジジィ！！！」
守るんだ、他でもない僕が。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パル(プロフ) - ウサギさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!良い文なんてとんでもないです！1日で読んで下さったんですかΣ(・ω・ﾉ)ﾉ有難う御座います!!(><)これからもﾀﾞﾗﾀﾞﾗとした進行度ではありますが、どうぞよろしくお願いします!! (2018年6月1日 11時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ウサギ - 良い文ありがとうございます。 今日発見したが、すごくおもしろくて一日で全部読んでしまいました。 これからも頑張ってください。 (2018年6月1日 11時) (レス) id: 7b63bf87a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パル | 作成日時：2018年5月22日 20時
