２３５ 緑谷side ページ48
『その目…気に入らんな』
そうお爺さんが言った時、窓から二人の様子を見ていた上鳴君が「おい、やべぇぞ…」と零し、僕達も窓から二人を見る。
すると、そこには彼女の眼前に杖を突き付けているあの人が居て、今すぐにでも飛び出して行きたかった。
『お前が殺したも同然じゃないか…!!お前さえ居なければ…ババだってもっと自由に生きられた!!普通の家庭で、普通に笑って…子供を生む度に怯える事も、孫を憎む事無くその手に抱く事だって出来た筈なんだ…っ!!それを全部壊したのはお前じゃないか!!お前の下らない野望のせいで…ババから幸せを奪ったんじゃないか!!』
スピーカーから聞こえる彼女の悲痛な叫びに、これが…僕達の知らない彼女が抱えていたものなのだと知った。
蔵で生涯を終えた…それはつまり、彼女のお婆さんは蔵に閉じ込められて過ごして居たという事だ。自由を奪われ、愛する孫に力が受け継がれてしまったばかりに、憎んでしまう。
「酷い…っ…こんなの…可哀想だよ…」
「…録音してるから、増方の許可を取って先生に言おう。もし、あの爺さんが増方までそんな扱いをしようとしてるなら…全力で止めよ」
「…うん」
こういう時、女の子は僕達何かよりもずっと強い。涙を拭い去った葉隠さんは「例え、エゴだったとしても…Aちゃんとずっと一緒に居たいから、頑張る！」と顔を上げた。
『何を言う。婆さんを殺したのは紛れも無くお前だよ、A。お前の価値も分からず、お前に怯え狂った。あの女の最期を知っているか？笑っていたさ、それはそれは幸せそうにな。やっと自由になれたと抜かしながらな。誇りに思え。お前は祖母を救ったんだ、死という形で』
お爺さんの言葉で僕を含めた何人かが殺気立つ。静かに教室を出ようとする僕とかっちゃん、それから轟君と切島君、常闇君。
ふざけるな…何が誇りに思えだ。思える訳無いじゃないか!!これ以上は我慢の限界だ…
その時、彼女が個性を使ったのか、教室まで揺れる程の地震に僕達は足を止めざるを得なかった。
『死を救いだと思う人間の気持ちが…お前に分かんのかよ…どう足掻いても逃げられない苦痛を背負って生き続ける事の辛さが分かって言ってんのかよ!!』
彼女のその言葉は僕とかっちゃんを刺すには充分過ぎた。
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パル(プロフ) - ウサギさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!良い文なんてとんでもないです！1日で読んで下さったんですかΣ(・ω・ﾉ)ﾉ有難う御座います!!(><)これからもﾀﾞﾗﾀﾞﾗとした進行度ではありますが、どうぞよろしくお願いします!! (2018年6月1日 11時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ウサギ - 良い文ありがとうございます。 今日発見したが、すごくおもしろくて一日で全部読んでしまいました。 これからも頑張ってください。 (2018年6月1日 11時) (レス) id: 7b63bf87a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2018年5月22日 20時
