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『わぁ、わざわざありがとうございます!』
まるで急ぎの仕事を助けたような感謝の表情。
パソコンの電源は落とされていて
わたしが来るのを待っていただけのくせに。
普段は来ることのないこの部署のスペースに
みなさんの視線という違和感しか感じなくて
必要ないであろう広報誌を渡して立ち去ろうとしたのに
『あぁ、待ってください!』
みんなが振り返るような
大きな声でわたしを逃がさない。
『俺ももう上がるんで、下まで一緒に行きましょう?』
にこっと笑うその顔は
社内の女の子が騙されるパクジミンの柔らかい笑顔。
その笑顔につられて一緒に乗ったエレベーターで
『ね、婚約者の彼は君が仕事終わったら何をしてくれる?一緒にご飯食べたりお酒を飲みに行くのかな?』
途端に変わる表情は妖艶なもので。
くすくすと笑いながら
わたしの耳から顎までを確かめるようになぞる指は
わたしの内側に触れたあの2本の指だから
わたしの身体は簡単に熱を取り戻す。
『俺ともごはん行こうよ』
何の理由にもならない言葉を並べて
わたしはジミンさんに連れられ食事をすることになった。
食事だけじゃないことなんて、わかってる。
でも
『何頼もっか?』
『ねぇ、それも食べてみたい!』
『あはは、ソクジン課長ってそんな人だったの?』
『もー、やっと明日から休みだぁ。』
まるでわたしの日常に
もともといた恋人のように振る舞うから
『ね、今日うち泊まっていきなよ。』
食事をご馳走になった後の帰り道。
まるでその言葉も
日常からわたしに向けられている錯覚をして
きゅっとわたしの指を絡めた手の
あの指を離せなかった。
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『わぁ、わざわざありがとうございます!』
まるで急ぎの仕事を助けたような感謝の表情。
パソコンの電源は落とされていて
わたしが来るのを待っていただけのくせに。
普段は来ることのないこの部署のスペースに
みなさんの視線という違和感しか感じなくて
必要ないであろう広報誌を渡して立ち去ろうとしたのに
『あぁ、待ってください!』
みんなが振り返るような
大きな声でわたしを逃がさない。
『俺ももう上がるんで、下まで一緒に行きましょう?』
にこっと笑うその顔は
社内の女の子が騙されるパクジミンの柔らかい笑顔。
その笑顔につられて一緒に乗ったエレベーターで
『ね、婚約者の彼は君が仕事終わったら何をしてくれる?一緒にご飯食べたりお酒を飲みに行くのかな?』
途端に変わる表情は妖艶なもので。
くすくすと笑いながら
わたしの耳から顎までを確かめるようになぞる指は
わたしの内側に触れたあの2本の指だから
わたしの身体は簡単に熱を取り戻す。
『俺ともごはん行こうよ』
何の理由にもならない言葉を並べて
わたしはジミンさんに連れられ食事をすることになった。
食事だけじゃないことなんて、わかってる。
でも
『何頼もっか?』
『ねぇ、それも食べてみたい!』
『あはは、ソクジン課長ってそんな人だったの?』
『もー、やっと明日から休みだぁ。』
まるでわたしの日常に
もともといた恋人のように振る舞うから
『ね、今日うち泊まっていきなよ。』
食事をご馳走になった後の帰り道。
まるでその言葉も
日常からわたしに向けられている錯覚をして
きゅっとわたしの指を絡めた手の
あの指を離せなかった。
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作者名:すぎまる | 作成日時:2025年1月28日 18時