【HQ】天使だと思ってた時期もありました。【青葉城西】

10話:及川さんはやっぱりクソ川 ページ10

国見side





国見「……えっと…」

『見たと？』

国見「……」



助けを求め金田一の方を見ると、
顔を真っ青にして放心していた。

日頃のコミュ力ここで発揮しろよ…



『ねぇ、見たと？聞いたと？いつから？』

国見「……女子生徒と話してたとこから」

『結構前やん…はぁ、弁解もできんし……』



頭を抱える古賀さん。

今のうちに逃げようと立ち上がろうとするも、
金田一が服の袖を掴んでいて立ち上がれなかった。

こいつ何してんだよ!!!!



国見「お前、離せって」

金田一「え、あ…無意識に掴んでた……」



無意識に掴むってなんだよ…
早くここから離れた方がいい気しかしない。



『何コソコソ話しとると？』

国見「え、や……明日の授業なにかなーて」

『金田一くん違うクラスやん。何言っとるん』



そうだった、違うクラスだった……
俺は何言ってんだ……

焦りすぎて頭が回っていなかったその時、
救世主が現れた。



及川「あっれ？国見ちゃんと金田一じゃーん！なにしてんの………って君、噂の天使ちゃんじゃない？」



いつもは話しかけられたらうざいなとしか思わないけど、この時だけは有難く感じた。

及川さんの声にびっくりしたのか、固まっている古賀さん。

今度こそ逃げようと立ち上がろうとした時、
今度は、古賀さんにがっしりと肩を掴まれた。



『ちょっと国見くんと金田一くんに話があるので、借りてもいいですか？』



そこにはいつもの笑顔の古賀さんが。

これが所謂、営業スマイルか。
及川さんは騙されるんだろうなぁ……



及川「いーよ、いーよ！全然いーよ！後で話聞かせてね、2人とも♡」



そう言いながら、ウインクして部室の方に歩いていった。鼻歌も聞こえたような気がする。

貴方に一瞬でも望みを持った俺が馬鹿でした…



国見「なんで引き止めたんですか。口止めですか？」

『お？言質あると？』



ニヤッと悪戯に笑う古賀さんを見ると、古賀さんの考えていることが何となくわかった。



国見「………………はぁ、そうですね。ないですよ」



今古賀さんは、学校の大大大人気者。
俺が古賀さんの悪い噂を流したところで、信じる人はいないに等しいだろう。

古賀さんはそれを理解している。
なら、なんで引き止めたんだ？



『それで………幻滅した？』

国見「…………は？」

『やから、口悪いの幻滅した？って聞いとるんやけど』



……はい？

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