【HQ】天使だと思ってた時期もありました。【青葉城西】

39話:営業スマイル ページ39

Aside





これ以上面倒くさい事にはしたくない…



『えっと、取り敢えず何も無かったかのようにあっちに戻って欲しいんだけど…』

日向「え、いや、あ、む、無理！これ！着ていいから」



そう言って、頭に被せられる真っ黒なジャージ｡

オレンジジュースつく……申し訳ない…
お言葉に甘えて着させてもらいますけど。



日向「え、えっと…どうしたんだ？」

『オレンジジュース被った』

日向「いや、そ、そうじゃなくて！」



翔陽が急に声を張り上げる。
それを聞いて、なんだなんだと集まってくる部員達。

もう……なんなん…今日って厄日かなんかなん？



日向「Aっていじめられてんのか…？」



日向のその一言にざわつく一同。

なんでそんなに気にするかなぁ…？



『別にいじめられてないよ。相手も手が滑ったって言ってたし』

日向「でも……」

『翔陽、連絡先交換しよ』



スカートのポケットからスマホを取り出す。
幸いスマホは濡れていなかったようだった。



日向「え、あ、うん！」

『翔陽はスマホ？』

日向「いや、ガラケー！！」



連絡先を交換し終え、そのままその場を立ち去ろうとした時、誰かに腕を掴まれた。



国見「……俺のせい？」

『違うよ。英は気にしなくていい』

国見「………俺の時は気にすんなって言っても無理って言ったくせに」



そう呟きながら手を離して、少し顔を顰める英｡

そんな顔顰められても、悲しいのか怒っとるのか…どういう感情か分からんっちゃけど……



『へへ、ごめん……皆さんお疲れ様でした〜しっかり休んでくださいね。では、これで』



お得意の営業スマイルで、男バレ一同に微笑みかける。

あーあ、こういうのが誑かしとるって言われるっちゃろうなぁ………でも、もう殆ど癖やし…

ていうか、空気悪くしたよな…確実に。
皆ごめんよ。




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