【HQ】天使だと思ってた時期もありました。【青葉城西】

35話:国見くんはレギュラーです ページ35

Aside





『取り敢えず、オレンジ頭くん。落ち着いて……』



焦るオレンジ頭くんと、落ち込んでいく及川さん。
この面倒臭い状況を打破すべく、オレンジ頭くんを落ち着かせようした時、遠くから足音が聞こえてきた。しかも、どんどん近付いてくる。



「日向ァ！トイレ長いんだよボゲェ！」

「かっ、影山！」



どうやら走ってきたのは、オレンジ頭くんもとい、日向くんのチームメイトらしい。



日向「トイレの場所わかんなかったんだよ！仕方ないだろ！」

影山「なんでトイレの場所もわかんねぇんだ………って及川さんじゃないっすか」



言い合いをしていた2人だったが、影山くんが此方にやっと気づいたようで及川さんの名前を呼んだ。



影山「……」



影山くんが此方を顰めっ面で見つめてくる。

「この人誰だ？」って思っとるっちゃろうな。
よし、ここは自己紹介するか。



『制服で分かると思うけど、青葉城西高校1年、古賀Aです。普通にバレーの試合見に来た人です』

影山「………及川さんの彼女っすか？」

日向「ちょ、影山くん！？何聞いてんだよ！？」



うん？
………どうしてそうなった？

及川さんも爆笑しとうし…



『違いますよ。ただの先輩後輩の仲です』

影山「あ、そうっすか」



ずっと無表情が顰めっ面の影山くん。

感情表現とか苦手そー…



『えっと、じゃあ私はこれで…』



そう言って、逃げる様にしてその場から立ち去った。

あのまま居ったら、また及川さんが面倒くさいこと言い出しそうやったし……



『何して時間潰そっかな』



そうぼやきながら、適当に歩いていると
後ろから急に声がした｡



国見「古賀さん、来たんだ。お疲れ様」

『国見くんこそ、休日にまで部活お疲れ様』



振り向くとジャージのポケットに手を突っ込んで、いつも気だるげな顔をしている彼がいた。

いつ見ても、綺麗な顔しとうなぁ……



国見「……そんなに見られたら照れるんだけど」

『真顔で何言っとうのやら』

国見「最強無敵のポーカーフェイス」



やけんさ、真顔で言わんでって……
笑ってしまうやろ…



『そういえば国見くんはどこのポジションなん？』

国見「ウイングスパイカー」

『へー………あーえっと、攻撃するやつね』



スパイカーって言っとうし、攻撃のはず。



国見「うん」



間違えとらんくてよかった……



『国見くんは1年やし、やっぱ試合はまだなん？』

国見「いや……まぁ、レギュラー」



………はっ！？

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