【HQ】天使だと思ってた時期もありました。【青葉城西】

32話:憂鬱 ページ32

国見side





『い、行く……』



そんなに渋るようなら来なくてもいいんだけど…



国見「別に無理にとは言ってないけど……」

『え！？もしかしなくても嫌そうだった？』

国見「まぁ…」

『うわ、ごめん』



申し訳なさそうに顔の前で手を合わせる古賀さん。



金田一「来たくないなら別にいいんだぞ？」

『いや、そうじゃなくて………』



目を泳がせる古賀さん。
言いたいことがあるなら言えよ……



『わ、私、バレーとか…わかんない……から』



古賀さんは振り絞ったような声でそう言った。



及川「えー？そんなこと？気にしなくていいのにー！」

花巻「ギャラリーの殆どが及川目当てでバレーなんて知らない奴ばっかだよ」



そうフォローしていく部員達。

でも俺には分かる。これはきっと嘘だ。
なんとなく……だけど。









あれから古賀さんはそそくさと帰って行った。

そして、明日の練習試合に向けて対策を練った後今日は解散となった。



金田一「じゃ、先帰ります！」

及川「2人ともばいばーい」



なんか金田一と2人で帰るの久しぶりな気がする…



金田一「国見、Aと仲良いよな」

国見「は？俺なんてまだ古賀さんですけど？」

金田一「どういう事だよ」



金田一がふっと笑う。

俺には金田一の方が仲良く見えるけどな……



金田一「……ていうか明日の試合、なんか気まずい…よな」

国見「でも試合ではそういうの気にしてられないだろ」



明日の試合相手は、烏野高校。
……影山のいるチーム。



金田一「影山…元気にしてっかな」

国見「……しらねー」



今振り返ると、自分の行動に後悔とか思うところもあったりする。
でも、もし過去に戻れたとしても同じ事をしたと思う。

沈黙が続き、気づけば分かれ道まで来ていた。



金田一「じゃーな」

国見「ん」



家に帰っても憂鬱な気分のままで、
気にしても仕方ないのにな、なんて分かっていてもどうすることも出来なかった。

33話:おおやふみ→←31話:安定のいじられキャラ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す