【HQ】天使だと思ってた時期もありました。【青葉城西】

16話:猫被り ページ16

国見side





『それで？』

国見「え、なにが？」

『え？国見く…国見が「古賀さんって…」って言いよったやん。続きは？』



“国見くん”と言いかける古賀さ…古賀。
そりゃ、いきなりは無理だよな。



国見「ああ、そんなことも言いましたね」

『国見くん、敬語使いようよ』

国見「古賀さんこそ、国見くん呼びですよ」

『国見くんは、敬語とさん付けのダブルパンチやんか。私の方がマシやろ』



ダブルパンチて……使い時そこなのか？

というか、古賀さんで定着してるから
いきなり変えるなんて無理……



国見「ま、少しずつ慣れてけばいいんだよ」

『やね………それで、続きは？』

国見「あぁ…………えっと、なんだっけ」

『えぇ…気になるけん思い出して』



俺、記憶力ねぇな……
なんて言おうとしたんだっけ

えっと…えっと……
名前呼びの話じゃなくて、敬語の話でもなくて…



国見「あぁ、思い出した。「古賀さんってなんで猫被ってるんですか」って聞こうとしたんでした」

『…猫被っとるとは人聞きが悪いなぁ』



そう言っておどけて笑う古賀さん。

え…？地雷踏んだ？
俺やばい？今さっきやばい状況抜け出したのに、もうやばい？



『ま、実際猫被っとるんやけどさ』

国見「あ、えっと、別に言わなくても…」

『え？なんで？』



きょとんとして首を傾げる古賀さん。

この様子だったら地雷踏んだ訳ではないのか？
だったらいいんだけど……



国見「…いや、なんもない。続けて」

『そ？まぁいいけど……』



「いいけど」と言いつつ納得いかないような顔を見せる古賀さん。



それから暫く沈黙が流れる。

うん…早く続き話して？凄い気まずい。



『………あぁ、続き？』

国見「え、忘れてたんですか」



俺に負けず劣らずの記憶力のなさ。
なんかもうなんの話だったか俺も忘れてきた。



『えっとね、猫被っとる方が生きやすいんよ』

国見「あー…」

『国見くん……？何の話か忘れとったやろ？』

国見「まぁ、そんなこともなくもないですね」

『国見くんも人の事言えんやん…』



古賀さん……視線が冷たい………
わかってるからそんな目で見ないで……

というか猫被って生きやすいって……
まぁそういう事なんだろうな…



国見「えと、あの、生きやすいっていうのは…」

『はぁ…話逸らしたし……ま、国見くんが想像しとる通りやと思うよ』



最初のため息は置いといて、やっぱそうか。

猫被るなんて俺には絶対出来ないな。

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