【pkmn】冠雪原の彼女と僕 3 【デント】 (ページ5)

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第九十二話　彼女と波動ページ5

No SIDE

デントに抱きつかれ、あまりに突然のことに
Aは驚き変な悲鳴が上がった

しかし、デントの勢いは変わらない

デント「やっぱり君のバトルは
見ていて飽きない、深い味わいだよぉ！

その僕の予想の斜め上をいくフレーバー！

そして君とポケモンたちの
信頼関係で成り立つテイスト！！

本当に君はぁ〜」

『な、なんなのさぁ…！！』

ソムリエトークをペラペラと口にしながら

ウリウリとAの柔らかい頬に頬ずりし
まるで犬猫を可愛がるかのようにすり寄る

そして、その様子を不満げに
ミロカロスは睨みつけていたのに気づき

慌ててデントを引き剥がす

『(ミロカロスがヤキモチ焼くとヤバい)

もう！！こんな所でやめて！！』

顔を赤くしキッと怒るとデントはシュンっと
効果音が付きそうなほどにしょぼくれてしまった

その表情に少しひき目を感じながらも
Aはミロカロスを褒めて労うと
モンスターボールに戻した

アロエ「A」

そこへアロエが近づき腰に手を当て、
負けたというのに清々しそうに笑っていた

アロエ「アンタとアンタのポケモンたちの
信頼関係は今まで見てきた
トレーナーの中でもピカイチだよ！」

『あ、ありがとうございます』

照れくさそうに笑うAにアロエは
少し間を空けてからある問いを投げかけた

アロエ「A…アンタ、
波動が読めるんじゃないのかい？」

デント「え…」

アロエ「ルカリオはミロカロスと
違って指示が本当に最低限しかなかった

けたぐりも、かわせとも言われていないのに
かわし方が絶妙だった

だから、もしかしてと思ってね」

どうだい？とアロエに問いかけられると
Aは静かに頷いた

『…そうですね、

波動もわかりますし
ルカリオとなら会話も出来ます』

デント「えぇ？！そうなの？！」

衝撃の事実にデントは目を丸くして
Aを見つめた

しかし当の本人は割りとあっけらかんとしている

『まぁ…古い付き合いだし』

デント「…そう、なんだ…？」

アロエ「アハハッ！本当に面白い子だね！

また、おいでよ！
バトルでなくとも遊びにでもさ！

アンタなら大歓迎だからさ！」

『！…はい！』

アロエのあたたかい言葉にAは
照れくさくもどこか嬉しそうに笑い

アロエと握手を交わした