夜の世界の殺し屋たち。 (ページ22)

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【樹】

北斗の一言は俺らの心が揺らぐには十分だった。

高地「どうして言ってくれなかったの？俺ら、グループなんだから言ってくれないと困るよ。」

北斗「ごめん、」

誰もこんな結末を予想していなかった。

きっと北斗だってそうだ。俺らに黙っていたとはいえ、ハルトくんまでこんなことになるとは思っていなかったはず。

北斗「．．．.でも正直、ハルトくんがキサラギを殺すためにでっち上げた理由が『友達が飛び降りるまで追い詰めたから』っていう理由が気に食わなかった。」

俺らは北斗が過去に何があったのか知っているから、そんな北斗の思いを否定することは出来ない。

北斗「そんなさ、友達のためにここまでする必要がないと思って。そのハルトくんの考え方がわからなかった。」

慎太郎「だから、あの時、『もう一度考え直した方がいい』って言ったんだ。」

こんな考え方を北斗がしてしまうのにもわけがある。

友達なんていらない、そう思った彼が今、俺らと一緒にいることは奇跡といってもいいだろう。