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プロローグ ページ1

真っ赤に染まった手のひら。





そんな震えた手から握っていたナイフが落ちる。





少年はとぼとぼと歩き始めた。





雨の日にまるで血を洗い流すように何度も両手をこすり合わせる。





でも、地面に流れていく血にも恐怖を覚えて近くに建っていた廃虚ビルに飛び込んだ。





誰もいない、真っ暗の空間。





それはそうだ。今は夜だから。





もう俺の人生は終わった、人を殺してしまったから、そう思った少年の足は自然と屋上へ向かっていった。





行き場もなくなった彼はこうするしかない、と考えた。





現場からも逃げて、頼る宛もない少年。





もう飛び降りること以外の選択肢が思いつかなかった。





さようなら、そう呟いてこの世に別れを告げようとしたその時。





後ろから足音が聞こえて思わず振り返る。





すると傘を差した青年が彼の元に寄ってきた。





「お前、殺ったの?」





そんな青年の答えに少年がゆっくりと頷いた。





「....死ぬのもいいけどさ、俺と一緒にもう一度人生やり直してみない?」





この一言で少年の人生が再スタートした。

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作者名:Nana 6022 | 作成日時:2021年2月28日 23時

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