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フィクションは細かい事を気にしないのが暗黙の了解 ページ5

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「んで、調査結果だけど、確認したらやっぱ目撃者の証言は曖昧なところがあったんだってよ。実際目撃した時、そいつには頬に大きな火傷跡があったらしい。」

私の前を歩きながら、判決の理由を淡々と教えてくれる沖田くん。

「大きな火傷跡....」

その言葉は何か聞き覚えがあった。

(そうだ、依頼書の、行方不明の子の特徴...何か関係あるかな...偶然かな...)


確証のない推測は、沖田くんの話の続きを聞くために止めた。


「現場の調査結果も、キツネ女の可能性が極めて高いんだと。何よりあの時牢にいたお前が相生町まで行って事件起こせるわけねーしな。」


改めてそう言われると、当たり前でしょ!私じゃないんだから!と、少しだけ鼻を鳴らした。


「でも、仮釈放?なんでしょ、仮ってどういう事?」


「見張りが付くってこと、1ヶ月くらい。その間で何か不審な動きがあったら即牢屋行き。」


「お、おおぅ。」


不穏な言葉に怯んで思わず声がどもる。


「いくら現状を揺らがすような矛盾が出てきても、アンタのその腹の傷は殺された側の爪と一致するっつー事実があるし、
普通顔が瓜二つなんじゃ、疑いはそう簡単に晴れねぇからな。本当の事を話しても非現実的過ぎて誰も聞く耳持たねぇし。」


「....だよね、普通に考えて信じられるわけないもんね。」


気を落とした私を気遣ったのか、沖田くんは声色を変えて微笑した。


「んな面してっと、旦那達が心配するぜィ。やっと帰れるんだし、もっと喜べよ。」


「そ、そうだね!!」


「ま、仮だけどー。」


「う、まあ。あ、てか見張りって誰?」


今までずっと閉じ込められてきた恨めしい牢屋敷の門前まで来ると、彼がふと立ち止まり振り返った。




「俺。」



「へー....って、え?沖田くんが?!」


驚く私に構わず平気な顔で話を続ける。


「ま、やる意味ないだろうけど、上からの命令だからな、仕方あるめーよ。」

「えー、それじゃ職務怠慢にならない?知らない人が見張るならまだしも、沖田くん私が犯人じゃないって分かってるじゃん。」


「だからに決まってんだろ、サボりてーもん俺。」


「警察がそんなんでいいの...」


彼のやる気のなさに呆れて呟くと、またも適当な返事が返ってくる、


「そりゃいい「「「わけあるかァァァ!!!」」」


と思いきや、門の向こうから三人の人影が現れ、沖田くんは勢いよく地面にめり込んだ。



蹴り飛ばした足を戻す彼らに、私は破顔しながら駆け寄った。

人は認めて受け入れて成長するもの→←綺麗なものはどんな時でも無条件に見とれてしまうもの



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紅狼 - とても良い作品でした!!続きがめちゃ気になります!!更新頑張ってください!応援してます!!!!!! (1月8日 1時) (レス) @page50 id: c1d0e4500e (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - ストーリーがすごく好きです!!続きが楽しみです。 (2023年3月30日 21時) (レス) id: 17169564a0 (このIDを非表示/違反報告)
らいあ - 言葉が出ないくらいすごい作品でした!!!続き楽しみにしています! (2022年1月14日 17時) (レス) id: 5ed45ad072 (このIDを非表示/違反報告)
常夏(プロフ) - この作品大好きです! (2021年2月5日 22時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
みっかぼーず(プロフ) - すごく面白かったです!!ストーリーが良く作り込まれていて尊敬します (2020年4月19日 0時) (レス) id: 90b29dc37c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年10月1日 3時

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