銀さんの過去編�� ページ15
〜銀時の記憶side〜
より一層肌寒く感じる秋風に吹かれながら、俺は拭いきれない罪悪感をいつまでも抱え込んでいた。
(松陽が松下村塾に連れてきた頃は俺もずっとああやってつきっきりで...
あー、そうか、
これは、ヤキモチなのか...
竜胆が羨ましかったんだ、俺。)
ようやく気付いたモヤモヤに、我ながら滑稽だと自嘲していると、
後ろから温かいものに包まれる感覚がした。
「その格好のままじゃ寒いでしょう、もう、どこに行ったのかと思えば...」
薄い毛布を掛けて呆れたように笑う竜胆に、申し訳なさとまだ残っている嫉妬心で、俺はどうにも上手く接せられずにいた。
「練習あるんだろ、俺なんか構わないでやってこいよ。」
どうせ俺は幼稚な奴だよ、と自分の発言に後悔していると、
竜胆は何がおかしいのか、ふふふと笑い出した。
「何がおかしいんだよ、」
「いや、ううん、おかしいんじゃなくて、嬉しいの。」
「は？嬉しい？何言ってんだよ。」
何が嬉しいのか、心底幸せそうに微笑む竜胆を見てますます理解が出来なくなった。
「銀ちゃんは、松陽先生の事が、大好きなのね。」
「は、はぁ？！」
突然の言葉に目を丸くする俺をよそに、竜胆は話を続ける。
「私も松陽先生だ────い好き！！だから、松陽先生の事が大好きな銀ちゃんも、私は大好きだよ。」
秋だというのに、その笑顔はまるで春の陽射しのように柔らかくて温かいものだった。
心の中で澄んだ風が吹き抜けるのを感じた。
それからだった。
俺の頭がおかしくなったのは。
高杉にもヅラにも頭は元からおかしい、と一蹴され、まともに相談に乗ってもらえなかった。
そこで俺は松陽に、尋ねることにした。
「それはもしかしたら、恋、なのかもしれませんね。」
「こ、恋？！」
松陽の口から思いもよらぬ言葉が出てきて、思わず笑いそうになった。
「だって、竜胆の事を思うとドキドキしたり、ふとした時に会いたくなったり、他の子と話してるのを見るとイライラして、胸が締め付けられるような感覚になるんでしょう？
恋ですよきっと。
まあ、あいにく私は色恋沙汰には疎いので、確証はありませんけどね。」
松陽は少し困った様な目で俺に微笑んだ。
「もしかして銀時、初恋なんじゃありません？」
言われて俺はしみじみとその言葉を反芻した。
初恋、初恋...
俺の初恋の相手は、
『竜胆』
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紅狼 - とても良い作品でした！！続きがめちゃ気になります！！更新頑張ってください！応援してます！！！！！！ (1月8日 1時) (
レス) @page50 id: c1d0e4500e (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - ストーリーがすごく好きです！！続きが楽しみです。 (2023年3月30日 21時) (レス) id: 17169564a0 (このIDを非表示/違反報告)
らいあ - 言葉が出ないくらいすごい作品でした！！！続き楽しみにしています！ (2022年1月14日 17時) (レス) id: 5ed45ad072 (このIDを非表示/違反報告)
常夏(プロフ) - この作品大好きです！ (2021年2月5日 22時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
みっかぼーず(プロフ) - すごく面白かったです！！ストーリーが良く作り込まれていて尊敬します (2020年4月19日 0時) (レス) id: 90b29dc37c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のと丸 | 作成日時：2019年10月1日 3時
