異世界人と万事屋３【銀魂】

余命一週間は偶然か必然か ページ49

〜銀時side〜


『たった今、江戸の相生町で天人殺害事件が再び起きたとの情報が入りました。
通報が入ったのは今日の午後11時頃で、裏通りの一角で事件が起こった模様です。現場の様子を中継でお伝えします。現場の花野さん。』



『はい。こちら現場の花野です。現場は悲惨な状態であるため、この様にテープの向こうはブルーシートに囲われています。


明日死刑執行日を迎える予定の狐の虐殺狐と同様、殺人罪を犯した天人を狙った事件と思われます。
殺害方法も狐の虐殺鬼とかなり似通っており、今も尚現場調査がおこなわれています。


あ、はい、はい。

たった今狐の虐殺鬼についての情報が入りました。現在も牢の中に厳重に収容されているとのことです。


つきまして、狐の虐殺鬼の明日の死刑執行日の予定ですが、今回の事件の調査のため、1週間延期することになるようです。
以上、現場からお伝えしました。』


生中継の画面を瞬きもせず凝視していた俺達は呆然と立ち尽くした。


「アイツ....何で事件起こしたアルか...目立てばバカ兄貴に捕まりやすくなるのに...」


「まさか、Aさんの濡れ衣を晴らすために...？」



あいつあの時は散々シラを切っていやがったくせに、

「素直じゃねぇ女だなったく、」


呟く俺に新八と神楽が心做しか微笑した。


「執行日1週間も延びたアル！それだけあれば竜胆捕まえれるアルヨ銀ちゃん！」


「ん？あ、ああ、そうだな。」


だが、執行日が1週間延びただけで、まだAの無実が証明されたわけじゃねぇ。


俺達は神威から逃げて来たっつーのもあるから、もっと竜胆を捕まえにくくなったかも知れねぇ。


(けど絶対に竜胆を....)


心の中で竜胆と口にすると、忘れかけてたもう一つの疑惑が蘇った。





そうだ、アイツ、あの女、竜胆、






偽の松陽が書いた家出した妹かもしれねぇんだった。



松陽が夢で探してた子供も、



あの日Aに重なった記憶のあの子も、




なんの確証もねぇけど、もしかしたら....



次々に浮かんでくる推測がぼんやりとした映像の輪郭を鮮明にしていくようだった。



「銀さん？どうしたんです？」

新八の不安げな声に我に返り、顔を上げる。



「竜胆ってよ、依頼書の家出した妹かもしれねぇだろ、その、警察に引渡したら、死刑、だよな。」


「あ....」


コイツらはAを助ける事で頭がいっぱいだったんだろう、



俺の言葉を聞くと言葉を詰まらせ、俯いた。

長らくお待たせしました！続編行きます→←事の結末なんかは運にでも天にでも任せとけ

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