異世界人と万事屋３【銀魂】

笑顔って状況によっちゃあ怒った顔より怖くなる時がある ページ43

〜銀時side〜


『銀時！』



『しょ、松陽！』



『俺は別に悪い事してねぇよ、ただあいつに休んでほしくて...！』



『分かっていますよ、だからほら、素直に謝ってきなさい。許してくれますから。』




『...銀ちゃん』





『銀ちゃん！！』








「「銀さん/ちゃん！！！」」



「ハッ！....し、新八！？神楽！！！」


目を覚ますと、そこは全く見覚えのない閑散とした廃墟のような建物の中だった。


「お、おい何だこれ！！」


見ると手首と足と体が拘束されて、建物の円柱に一人ずつ縄で縛られていた。


「あ、目覚めた？」

狼狽する俺達の前に現れた神威。


「てめぇ、俺達に何しやがった！！」


「宅配の弁当に即効性の睡眠薬入れたんだ。下手に暴れられても困るから穏便にと思ってね。」


笑みを張りつけ、粉の入った瓶を見せびらかす。

「こんな事してる場合じゃねぇんだ！！今日だけは俺達を離してくれ！！アイツを追ったりしねぇから！！」

「必死だね、アンタ。」


俺の元に歩み寄ると、屈んで目線を合わせてきた。


「これ、どうするつもりだったの。」

そう言って俺の前に見せたのは、竜胆の証拠を収めたUSBだった。どうやら眠っている間に体を探られたらしい。

「そんなモン決まってんだろ、家で見るんだよ。中に何が入ってんのか知ってんのかァ？俺の厳選した卑猥なビデオ集だぞ。お前も見るか？」

言ってる傍で、二人が顔をしかめるのが目に入った。

(仕方ねぇだろ！！)


「へえ、監視カメラ映像をそう言う風に言う奴は初めて見たよ。」

語尾のタイミングで神威はそれを握り潰し、粉砕した。


「オイィィィ！！！お前ふざけんじゃねぇぞ！！！俺の厳選秘蔵映像がァァ！！！」


「「うるせぇ─よ！！普通にバレてんじゃねぇかよ！！！どうすんだボケェェェ！！！」」


叫び声に叫び声が被り、波紋のように声が響き渡っていく。


「じゃ、俺は用事があるから行ってくるよ。大人しくしてないと殺すからね。」

場違いな笑顔をつくると、悠々と踵を返して近くの扉から出ていった。


周りには他の見張りが5人くらいいる状況だ。


だがここに留まってるわけにはいかねぇ。


「つか、今何時だ！」

俺の声に傍の見張りが律儀に答える。


「夜の11時だ。」


「「「どんだけ眠らせてんだゴラァァァ！！」」」



ヤバイ、



何がヤバイって




何もかもがヤベぇよ！！！





証拠も手段もなくなった今、俺達の手足は完全にもぎ取られてしまった。

自分の知らない奴が自分を知ってる恐怖は計り知れない→←釣りたい魚を釣る時は、まず周りにいる釣り人を蹴り落とせ

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