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無くし物も命も未来も全部貴方に預けました ページ26

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「お前の大事なもん預かってっから、返してもらうまで俺達の事信じて待ってろ。」



そう言っていつしか見た根拠の無い自信に満ちた笑みと、

なくしたと思って散々嘆いた青い竜胆の髪留めを片手に握って見せた。



「そ、それ....!!!」



あまりの嬉しさと衝撃にまた目頭が熱くなる。



「そんじゃまたな。」


別れとも言えない言葉を囁くと、扉が閉まり面会室に静寂が訪れた。



「またね...」


小さく呟く声はどこか嬉しそうだと自分でもわかった。



銀さんの最後の言葉を何度も反芻する。





私は少し深呼吸をして、たった数分の出来事を思い返す。







なんて幸せだったんだろう。




たった数分でこんなに心が温かくなるなんて。




(もう涙枯れたと思ってたのに、ボロボロ零れたなぁ)




湿った袖を見て自嘲気味に微笑む。






そうだ、希望を捨てちゃいけない、






銀さん達が私を諦めない限り、







私も諦めない。




荒んで疲れ果てた心は、いつの間にか希望に満ちていた。




私の事、安心させるために来てくれたんだね。





もうすっかり、安心したよ。





だから私、もうダメだった時の事なんて考えない。





自由になって銀さんに髪留めを返してもらって、




三人のいる万事屋に帰る未来しか考えないよ。





ありがとう、皆。





ありがとう、銀さん。





また、私の手を握ってくれて、





もうこの感謝は言葉だけじゃ伝えられない。





浸っている私の背後で扉の開く音がした。


警官が出るように促す。


またあの埃臭い狭い牢屋に入れられるのか。




でも不思議と、もう嫌な気持ちもなくなっていた。



『最後の囚人生活楽しめヨー!!』



神楽ちゃんの言葉が蘇り、くすりと笑う。




そうだ、こんな生活まっぴらだけど、



滅多に経験できるもんじゃない。




気分が軽くなったことを感じて再び彼らに感謝した。



湿った牢屋に入ると、また重い鍵の音が響く。



沈鬱な雨音だと思っていた雨は、今はまるで違って聞こえた。






私はそれからしばらく、彼らへの感謝の気持ちをどう伝えようか、という事だけに頭を悩ませた。

偶然と呼ぶか必然と呼ぶかは自分次第→←ここに来た目的だって、ただ安心させるためだった



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のと丸(プロフ) - ジャスタウェイさん» ジャ、ジャスタウェイさん...!初めまして!!お褒めのお言葉誠にありがとうございます!!更新頑張ります〜(●´▽`●) (2019年8月13日 20時) (レス) id: 73b1ba17eb (このIDを非表示/違反報告)
ジャスタウェイ - とても面白いです。ぜひ更新頑張ってください。 (2019年8月13日 19時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» みぃさんこんにちは〜!!超特急で帰ってきてしまいましたね笑応援ありがとうございます!!(●´▽`●) (2019年8月9日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - こんにちはです!帰って来るの待ってました。これからも頑張ってください! (2019年8月9日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - シルバさん» コメントありがとうございます!!すごくすごく嬉しいです!!。゚(゚^ω^゚)゚。更新停止と宣っておきながら、結局更新再開することになってすみません(TT)節操なしの作者ですが、何卒宜しくお願いします!<(_ _*)> (2019年8月9日 12時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月28日 17時

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