異世界人と万事屋２【銀魂】

人の心に自分を深く刻む方法は２つ、身を捧げるほど尽くすか、殺意を向けられるほど恨まれるか ページ40

〜神楽side〜





A、





何でアルか。







私が一体何したアルか。









銀ちゃんが一体何したアルか。






ねぇ、A、






私達夜兎族と、銀ちゃん殺すためだけに、






お前はあんなに楽しそうに笑ってたアルか。







あんなに嬉しそうに泣いてたアルか。








万事屋の仲間に入ったアルか。








痛いヨ。





胸が痛い。





Aが斬(切)ったからアルヨ。







私は、







もうAを信じられないかも知れない









あれが本性で、その本性をさらけ出したに過ぎないのなら、





新八を本気で斬ったお前を私は、





絶対に許さないアル。





斬るなら、恨みがあるなら私だけで良かったネ。





私がちゃんとAの苦しみを受け止めたのに。







裏切られた衝撃と、悲しみと、寂しさと、恨めしさが悶々と頭の中を漂う。


Aを追ったつもりでひたすらに走っていたけど、ついに行方も分からなくなってきた。



見慣れたかぶき町の中で、あの見慣れた白い腐れ天パを探すのにそう苦労はしないはず。



そう信じて、潰れそうな心を押さえながら、痛む胸を押さえながら、ズタボロになっちまった新八に肩を貸し、一時間弱探していた。



(銀ちゃん....どこにいるアルか....


何にも知らずにA探してるアルか.....？


夜兎みたいなアイツになら、銀ちゃんもどんな目に遭うか分からない....


そうなったらどうしよう？


銀ちゃん...


銀ちゃん！！！


いい加減腐れ天パ私に見せろヨ！！！



あのアホ面出せヨ銀ちゃん！！！！！)



躍起になった念が伝わったのか、強く瞑った目を開くと、



そこには、


通行人に避けられながら、負傷したAをおぶって、周りにお構い無しに道の真ん中を横切る銀ちゃんの姿があった。



「銀ちゃん！！！！！！」


喜びと不安で甲高く震え上がった声が騒がしい町の喧騒を貫いた。


私の声に反応して新八も銀ちゃんの姿を捉えた様だ。

私達は合図することも無く、同時に彼の元に突っ走る。



いつの間にか乾いた血を、また血が出るほど力強く握り締めた。


どういう訳か、銀ちゃんにおぶられているA。


首の両側に垂れ下がった手で、
今にも首をかっ切られそうな状況にいる銀ちゃん。


早く気付けと必死に銀ちゃんの名を叫ぶ。





もう二度と、Aが人を裏切る姿を見たくないばかりに、



もう二度と、Aに裏切られる銀ちゃん(人間)を増やしたくないばかりに。

他人に選択権を任せるな、自分の選びたい方を選べばいい→←切っても切れぬ縁とは、切ったら結び直せない縁とは

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す