目が悪いヤツはよく見えないくせに知り合いだと判断するな、知らない人だったりするから ページ36
〜新八side〜
「あれ、神楽ちゃん。Aさんって、今日薄緑色の着物着てなかったっけ。」
その違和感とは、Aさんの身に纏う色が、今朝見た薄緑色とは違う紺色をしていた事だったようだ。
Aさん、銀さんはどうしたんだろう、
もしかしてはぐれたのかな。
そう思えるほど彼女は周りに誰かいる様子もなく、辺りを不自然に見渡している。
彼女と接触するために歩み寄る僕達。
「あ、まじアル。でもあの顔Aに違いないネ!
女ってのは気まぐれに服の色まで変えてしまう生き物アル。これだから童貞はいつまで経っても女心が分からないんだヨ。」
「いや童貞関係ねェだろ!!てゆうか、そんな事言われても納得いかないよ。
いくら女心が気まぐれでも服を着替えるなんて...きっと何かあったんだよ。」
どんどん突き進んでいく神楽ちゃんを追いながら冷静に言い返した。
「ほら、どう見てもAアル。お前の目は節穴か、メガネつけてるのに節穴アルか。」
「いやメガネ関係ないでしょ。」
ようやく顔がはっきりと分かるまで近づくと、
確かに、今朝とは違う着物を着ただけの、
見知ったAさんの横顔がしっかりと見えた。
「ホントだ。一人みたいだし、やっぱり銀さんとはぐれちゃったのかも。」
そう言いながら、中々立ち止まることなく縦横無尽に歩くAさんの後をつける。
「あ、裏路地に入っていくアル。どこ行くアルかあの子は。」
やれやれとため息をつく神楽ちゃん、まるで僕らは誘い込まれるように裏路地に入っていった。
「もう声かけようよ、これじゃただの尾行だよ。」
そう言って僕は神楽ちゃんの前を走って目先のAさんに追いつくと、肩に手を置いて声を掛けた。
「どこまで行くつもりですかAさん、こんな所に銀さんはいませんよ!」
すると彼女は何かに反応するように歩みを止め、同時に振り返る。
「私に構わないで。」
その声は肝が冷えるほど威圧的だった。
「Aさん...?」
振り返った彼女の目は、僕らの知っているいつものAさんの目ではなく、
修羅を何度もくぐり抜けたような鋭くて冷たい目だった。
そしてこの数時間では信じられないほどげっそりとするAさんの右頬には、
近づかないと気付かないような、火傷跡がついていた。
別人に思える彼女だったが、
その整った顔は間違いなく、
つい最近万事屋に加わった真面目で優しい、
僕らの仲間のAさんだった。
自分の身を切られるより、大切な仲間を切られる方がよっぽど痛いと彼らは言う→←試食コーナーの試食品全部食べるのって何罪に問われるんですか
126人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のと丸(プロフ) - 餅みそさん» ありがとうございます!!更新頑張ります(●´▽`●) (2019年7月30日 12時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - こういう話し好きです!続き楽しみにしてます。更新頑張ってください (2019年7月29日 19時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - MIRAIさん» コメントありがとうございます!!読者様にワクワクできるよう話を練っているので、そう言っていただけて本当に嬉しいです!!(´>ω<`)これからまたどんどんストーリーが展開していくので、どうぞ最後まで楽しんでって下さい!! (2019年7月26日 5時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
MIRAI - 先がわからなくってドキドキしながら読んでます!とっても面白いです。頑張ってください!! (2019年7月26日 3時) (レス) id: c6a480e818 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - 金持ちのボンボンになりたいさん» コメントありがとうございます!!ミステリー!そう言って下さるとは思いませんでした!(*^^*)これからもどうぞ楽しんでいって下さい!! (2019年7月25日 14時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月18日 20時