ラブレターでも、果たし状でも、殺害予告でもなく ページ46
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『拝啓 万事屋の坂田銀時様
初めまして。
どんな依頼でも引き受ける便利屋があると風の噂を聞いて依頼した限りです。
諸事情で直接お会いせずに依頼するご無礼をお許しください。
早速なのですが、今回私が依頼したい内容というのは、
行方不明の妹を探して欲しい、というものです。
彼女はある日家出を言い出して、姿を消してしまいました。
それからもう幾月も帰ってきません。
特徴は、目鼻立ちがよく基本的には整った顔立ちで、茶色い目、茶色い髪の毛をしています。
背はそこまで高くなく、低くもない抱擁しずらい程度の大きさです。
女のくせに体のあちこちに傷があり、取り分け右頬に大きな火傷跡があります。あと、貧乳です。
お手数お掛けしますが、見つけ次第、この場所にご一報下さい。報酬はいくらでも差し上げます。
どうか宜しく御願いします。』
読み終えると、新八くんがこのツッコミどころ満載な依頼書を指摘する。
「これ、銀さん個人に宛てた依頼書みたいですよ。
それにしても、何というか、妹さんになかなか失礼な事書いてますよね、この人。」
「全くアル。妹思いなのか、妹貶しなのか分かんないネ。
特に女の子に貧乳って言ってるあたり、デリカシーの欠片もない馬鹿野郎アル。」
個人的な恨みでもあるかのように送り主を罵倒する神楽ちゃん。
関係ないと背を向けていた銀さんも興味を持ったのか口を挟んできた。
「おい誰だー?俺の名前を様付けで書く賢いヤツは。」
自分を指名した依頼だったからか、話に食い付いたようだ。
「それがこの手紙、少し古くて、読みづらいんですよ。いつ書いたんでしょうね。
水でも零したのか、かなり字が滲んでて....松...下...村塾?の吉田...うーん、ここがぼやけてて...」
目を凝らして紙と睨めっこする新八くんに、
掠れた声で呟く銀さん。
「...松陽。」
「あ、ほんとだそう言われればそんな字に見えてきました!て、やっぱり銀さんの知り合いの方だったんですか。」
呆然と一点だけを見るような虚ろな目をしていた銀さんが、
急に目を丸くし、勢いよく立ち上がると新八くんの手から紙を奪い取った。
「何アルか銀ちゃん!」
彼の突発的な行動に、私達は一斉に驚く。
「これ、何で.....ちゃんと、アイツの字だ....何で...」
依頼書の字を凝視して、一人驚愕するように、何でだ、と繰り返し声を零す。
紙を持つ手さえ震えている様子に、新八くんも神楽ちゃんも動揺していた。
本当に嘘が上手い奴は、相手を騙しているのではなく、自分を騙している→←風邪で休んだ日に食べるプリンは美味しい
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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時