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夢で言われた事を信じる奴は正気か否か ページ43

〜銀さんside〜



『......き』









『.......とき』









『銀時。』



懐かしくて聞き覚えのある声が俺の名前を呼んでいる。


『銀時。』



もう一度名前を呼ばれ、ふと顔を上げると、ずいぶんと懐かしい、
まだ俺がガキだった頃よく見ていた景色が写った。



「松陽....」


そう呟くと、松陽は昔と変わらない笑顔で昔と変わらない手つきで俺の頭を撫でた。


『銀時。突然ですけど、貴方に助けてほしい女の子がいるんです。』


松陽は唐突にそう言うと、自分の後方に目をやる。


俺も覗いてみたが、何も誰もいない。



『私の後ろをいつも離れず着いて来る人見知りだった。』



『ほら、銀時がいつもちょっかいかけて泣かせていたあの女の子ですよ。』


誰の事だかさっぱりだった。






黙り込む俺を見かねて松陽が続ける。


『もしかして、忘れましたか?あんなに貴方はあの子を見ていたのに。』


「そんな奴いるかよ!なぁ松陽!誰だよ!
俺そいつの事何も知らねぇんだ!助けてやるから教えてくれ!」


訳が分からず声を張り上げると、松陽の体の輪郭がぼやけていく。




「松陽!!松陽先生!!!待ってくれ!!!!」


必死の叫びも短いこの手も届かなかった。




ただ一言、

『彼女を助けてあげて下さい、もう一人じゃ止まれなくなってしまった可哀想なあの子を。』



それだけ残して、真っ白な背景に包まれるように去っていく。




「先生ッ!!!!」



気付くとさっきまで短かったはずの手が、いつもの長さに伸びていてそれは天井に向かっていた。


瞬きを繰り返し、周りを見ると、目を丸くしたAが隣で硬直していた。


「ゆ、夢か...」



(アイツが言ってた女の子ってヤツ、

誰か見当もつかねぇな...




そもそも、ただの夢だし、気にしない方がいいか。)


「銀さん、大丈夫ですか?うなされてましたけど、あげく叫んで起きましたけど....。」


気付けば、Aが心配そうな目で俺の顔を覗き込んできた。









そう言えば、こいつの顔









初めて会った時から実は思ってたけど








「何か知ってる気がするんだよな.....」








顔を近づけたせいか、Aの顔がみるみるうちに紅潮していく。



「なぁ、俺たち本当に初対面か?いつかー、どっかで会わなかった?」



顔を赤らめるAをよそに、平然と悪気を疑われるような質問を投げる。





我ながらSだなと思った。

寝言は寝言のように言え→←やはり、太陽があるから花は咲くのだ



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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時

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