常識というものは、一人でこっそり身につけたいものですね ページ30
『えー、次のニュースです。
四日前に起きた、人身売買罪で逮捕された天人3名が、何者かによって殺害された事件についてです。
検証の結果、遺体からは複数の深い切り傷や強打した凹みが確認され、現場には天人らと犯人とが争った形跡があり、
その形跡の特徴から今回の事件もまた、
あの連続殺人犯の犯行であるという可能性が極めて高いと発表されました。
警察側は今後もこの連続殺人事件について調査を進めていくとの事です。
犯人は未だ捕まっておらず、現在も指名手配中です。』
アナウンサーの男性が淡白な顔で、淡々とニュース原稿を読み上げた。
画面の右上に【天人連続殺人事件 終止符はいつ】というテロップが表示されている。
不穏な事件というのは、どこの世界でも起きてしまうものなのか、と心を痛めながら、
私は聞き覚えのない単語を神楽ちゃんに訊ねた。
「神楽ちゃん、あまんとって、何?」
「オイAー、ボケるならもっとマシなボケ方しろヨ。私が鋭いツッコミ入れても、そのボケだと何もかも生ぬるく終わっちまうアル!」
顔を歪ませて訳の分からない理屈で何故か怒る神楽ちゃん。
「ほ、ほんとに分かんないんだけど...」
声を落として呟くと、台所からコップとお茶を両手に持った新八くんが口を挟んできた。
「Aさん、天人ですよ?天人。"あまんと"って発音の単語は、宇宙人という意味の言葉しかないじゃないですか。」
私が天人を知っている体で話を進める彼。
もちろん何も知らなかった私は、
(ええええ!!この世界宇宙人いたの??!!初耳なんですけど!!!初耳なんですけど!!!!)
あまりの衝撃的な事実に、隠し切るのに必死なほど多大なショックを受けた。
この世界の当たり前は、まだまだ私にとっては異常なものらしい。
(そういやまだここに来て数日しか経ってないし、私この世界の事何も知らないんだった。)
大事な事に気付かされて、心の中で色々と不安が募り始めてきた。
「それにしても、この人もなかなか捕まりませんよね。」
新八くんがテレビに目を向けて話す。
「この人って...?」
「え、だから、"狐の虐殺鬼"ですよ。まさか知らないとか言いませんよね....?」
「そ、そのまさかです....、私、昔からテレビとかあんまり見てなくて、」
私の言い訳なんて聞こえてないほどに驚嘆する彼。
(そんなに有名な殺人犯なんだ...)
私は冷静に新たな常識を身につけた。
厨二病みたいなネーミングですがご了承下さい→←川に飛び込む理由は千差万別
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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時