しかし、チンピラと呼ぶにはあまりにも真っ直ぐな目をした男だった ページ26
「まあ、茶番はここまでにして、「茶番で片すなよ」...この話は一旦保留にしましょう。
Aさんの記憶だけじゃ、憶測という可能性は拭えませんから。話題を替えましょう。」
新八くんは銀さんの言葉を華麗にスルーすると、いつの間にか持っていた湯呑みを机に置き、
コホンと咳払いして背筋を伸ばした。
「それじゃあ、今からAさんの今後についての会議を始めます。」
「どんどんぱふぱふー!」
何も分からないまま適当に擬音語を叫ぶ神楽ちゃん。
「私の、今後...」
復唱すると新八くんが私を見て話を続ける。
「はい、まあ、だいたい決まってますけど、Aさんは、これから何かしたいとかって具体的な計画とか立ててますか?」
「いや、何も...」
自分で言っておいて無計画な女だと思われたかもしれない、と落ち込む。
「ならまず、仕事を探してはいかがですか!仕事して、お金を手に入れてこそ生活は成り立つものですから!ね、銀さん!」
ハツラツと説明する新八くんはプリンを食べ終えてジャンプを読んでいる銀さんに話を振る。
てゆうか、この世界、ジャンプあるんだ、と内心少し驚いた。
「あー、まーそうですねー。働かざる者食うべからずって言いますしねー。」
適当に返答し、再び漫画に集中する白い天パ男。
というか昼間にジャンプ読んでる大人が、働かざる者食うべからずとか言ってるけどいいの?という疑問は心の中で留めた。
「するべき事が決まりましたね!という訳で銀さん、何かいい仕事知りません?」
何だか嬉嬉として話す新八くん。
銀さんは目もくれずに、また抑揚のない声で答える。
「いい仕事だァ?うちはハローワークじゃないんですよ。職探しなら他を当たって下さーい。」
口角をひきつらせる新八くん。
「じゃあうちはハローワークじゃなくて、何ですか。アンタ仕事何やってんですか!」
責め立てるような質問に観念したのか、「わーったよ」とジャンプを横に置くと、姿勢を正して私の目を見た。
「ようこそ、万事屋銀ちゃんへ。ここのオーナーの坂田銀時です。」
急に何かと思えば、懐から名刺のような紙切れを差し出してきた。
真っ白な名刺にはシンプルな楷書の黒字で、
『万事屋 坂田銀時』と書かれてある。
「今から社長の権限で、お前を万事屋の従業員に任命します。拒否権は無論ありません!以上!」
真っ直ぐ見つめる彼の目が、その時初めて赤い色をしている事に気付いた。
自分で働いて手に入れた五千円は人からもらった一万円よりも価値がある→←人は知らぬ間に誰かに弱みを握られている
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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時