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知ってたか?余裕って、お金で買えるんだぜ ページ21

銀さんの思いがけない言葉に一瞬固まる妙さん。


すると、怖いだけの笑顔の口角がピクッとひくついた。

その様子に三人とも血の気が引いている。

私は他人の内輪揉めを遠目で見るかのごとく、彼らを一歩引いて見守る。




ついに妙さんから、さっきまでの大和撫子とは別人のような荒々しい言葉が炸裂した。


「あァんのゴリラ調子に乗りやがって、いい加減にしろよ!!
てゆうか、銀さん!!何ですかお前のゴリラって!!私のゴリラじゃありませんから!!」


(あ、ツッコむところそこなんだ。)


と冷静に思った私だが、多分他の三人も思ったはず。


「ちょっと、シメてきますあのゴリラ!ごめんなさいねAちゃん、私の手料理はまた今度!!」


急にいつもの顔に戻して、私にそんな言葉を残すと、
再び角を生やしたように憤慨して、勢いよく家を出て行った。









「一難去ったな...。」

銀さんが呟くのを合図に、張り詰めた空気がダム崩壊のように一気に緩んだ。


「ふー危なかったアルな、A。もう少しでお釈迦になるところだったアルよ。」

「何Aさんを助けたみたいな口になってんの。自分が食べずに済んだから安心してるくせに。」

「もういいんだ、ぱっつぁん。俺たち、助かったんだからよ....。」

私を置いて、三人は九死に一生を得た雰囲気に浸っている。


「何です?妙さんの手料理そんなに不味いんですか?」

思ったことを口に出すと、

皆言葉を詰まらせた。

「まー、そーゆーこった。俺がなんか食いもん買ってくるよ。」

銀さんは立ち上がるとそのまま玄関を出ていった。









と思いきや、また戻ってきた。



「なに、カッコつけてんですか。」

戻ってくる事を予想していたかのような口ぶりの新八くん。

「うん、ごめん。金貸して。」

何の躊躇いもなしに未成年から金を借りる大人を、私は初めて見た。

「馬鹿アル。自分がビンボーなの忘れるとか馬鹿アル。」

鼻をほじりながら鼻で笑う少女。

「うるせークソガキ。そんなこと言ってっと、酢昆布買ってこねーぞ。」

銀さんのその一言で、ガラリと態度を変え始めた赤毛少女。

「冗談に決まってるアル!無一文でも銀ちゃんかっこいいから大丈夫ヨ!!」

「お前さー、本当に買ってもらう気あるの?ぜんっぜんフォローになってないからねー?それ。」

「いや、人の金で何偉そうな事言ってんですか。早く買ってきて下さい。」


新八くんの鋭いツッコミで突如始まった茶番は終止符を打った。

未成年同士で会話に花を咲かせましょ→←腹が鳴る時は今から腹鳴らします、と事前報告でもしてほしいものだ



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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時

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