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あなたはその人が例え絶世の美女でも異世界から来たと言われたら信じますか ページ13

ここは暗がりだったが、何時間も外にいたおかげで目が慣れていた。



だから、セリフも状況も一緒だけど、あの時とは違う優しい眼差しをしている事に気付いた。




私の方に傘を差し出し、銀さんは全身に雨を浴びている。




「銀さん....」



狐につままれた気分で、ただ名前を呟くと、銀さんは私の手を引っ張って体を起こした。





「何、お前ん家そこだったの?」


少し呆れた様子で言う銀さん。



「あの、これはその....」


口ごもっていると代わりに銀さんが話を進める。




「結局分からなかったのか、自分家。アイツらじゃ当てになんなかった?」



アイツらとは、多分団子屋で会った沖田くんと呼ばれる青年の事だろう。


「その、逃げてきたんです。」


つい本音が口を出た。



「逃げたって、また、」

少し驚いた声が会話を紡ぐ。


「だって、警察じゃないでしょ、あの人達。」



私は自然と俯いて話していた。


分かっている、変に思われるだけなことは。



「いや、まあ確かに警察らしからぬ態度もとってっけど、ちゃんと警察だぞ?一応。」




冗談なのか本気なのか分からない事を言う銀さん。


「ま、お前が逃げたんならアイツらにできることもできねぇか。」


一人納得したように呟くと、少しの間沈黙が続いた。

その沈黙を割くように雨音が響く。


もう完全に銀さんはずぶ濡れだ。



今もずっと私の方に傘を向けている。



「何で逃げたんだ?警察初めて見たの?」


「そんな訳ないじゃないですか。いや、でも、そうかも...」

「マジかよ。」

「いや、そうじゃなくて...」


しばらく黙り込むと、私は意を決して全てを打ち明けることにした。


もうこの際だ、変人と思われて見捨てられたらそれはそれで彼に迷惑をかけずに済むことだし。




「私、どうやら異世界に来たみたいなんです。」



「....は?」




彼の眉毛がピクリと動く。




「その、信じられないでしょうが、というか私が1番信じられないんですけど、本当に私が住んでいた世界とは全く違うんです、ここ。」



「銀さんの言う警察は、私の知っている警察じゃなかったので、信用出来なくて逃げたんです。」


(もう玉砕だ...)


本当は銀さんに見捨てられることに怯えていたのだが、もうそれは時すでに遅し、もう全て言い切った。


「そうか、」





銀さんの声が雨に被られる。









「そりゃ、大変だったな。」





銀さんは、私が予測していた反応とは違うものを見せた。

馬鹿じゃないと上手くいかない事もある→←既視感を感じると何故か少し気持ちが高揚する



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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時

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