時すでに遅し ページ15
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「どうぞ、ここが我々の家です」
『わぁ…素敵ですね』
ゼブロさんに案内されやってきたのは、二階建ての、わりかしこじんまりとした木造の家
「ではA様、これを押してみてください」
『これって…このドアをですか?』
家の扉を指差し「ええ」と微笑むゼブロさん
…ああ。なるほど
『……これも重いってことですね』
「はい。片方200キロあります」
『……200キロ』
「ささ、どうぞ」と相変わらずにこやかな笑みを浮かべているゼブロさんに『とりあえず頑張ってみます』と引き攣った笑みを返すと、恐る恐るドアに手をつく
…よし。
『…っ!』
渾身の力を込めて扉を押せば、ギギギ___と、築何年だよ。と突っ込みたくなるような音を立ててゆっくりとドアが動きだす
……念って凄い。
「素晴らしい。扉はすぐに閉まりますので、早く中へ」
『っ、はい』
とりあえずそのまま中に入り扉を閉じると、ゼブロさんはニコニコしながら拍手をしてくれた
「さすがイルミ様が連れてこられただけの事はある。筋が良いですよ。これなら試しの門を開けるのもそう難しくないでしょう」
『…っ、だと、いいんですけどね…っ』
ぜえぜえと息を荒げながら、とんでもねえ場所に来てしまった…と過去の己の選択を悔いていると「今お茶を入れますから。適当にくつろいでください」とゼブロさん
『すみません…ありがとうございま__うわっ!』
履こうと思ったスリッパにつんのめり、ごつん とオデコと地面が激突する
「…ああそうだ。スリッパも重たいですから、歩く時は気をつけてくださいね」
『………もうちょっと早く言って欲しかったですね』
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ゆら(プロフ) - 紗蘭さん» わぁぁぁすっごくすっごく嬉しいです!!ありがとうございます頑張ります…! (2021年8月17日 13時) (レス) id: 65f7be7df1 (このIDを非表示/違反報告)
紗蘭 - 夢主ちゃんのキャラとか、イルミさんとの絡み方とか、すごく好きです…!!更新楽しみにしてます! (2021年8月16日 23時) (レス) id: 579f6ff34b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆら | 作成日時:2021年7月19日 15時