始末屋改めストーカー ページ32
始末屋。名前からして危険な香り漂うそれに協力を決めてから数日。
今日は囮バイト当日ということもあって、少しだけ緊張している。
｢･･･というか、なんで待ち合わせがここ？｣
『万事屋銀ちゃん』
この看板を見上げた回数も、もうそれなりになるだろうか。
出会った当初はもう関わりたくないと思っていたのに、最近の私の人生はどうも万事屋に左右されている気がして複雑な気持ちになる。
十四郎を見つけたのも、少しの期間ではあったがキャバ嬢になったのも、今回のバイトも、全てきっかけが万事屋だなんてムカつくことこの上ない。
｢勝手に関わってきてくれちゃって･･･｣
そんな憎まれ口を看板にぶつけたところで、結局これから私は
万事屋の戸を開けようとしたところで、中から物音が聞こえて手を止めた。
･･･ヤバい──。
ほとんど条件反射である。
私は体を丸めて、手は頭を守るように防御の姿勢を取った。
｢この変態メガネがァァァァァァァ！｣
予想通り、戸を突き破って投げ飛ばされた始末屋･･･ではなくストーカーが頭上をかすめる。
｢･･･危なかった｣
囮のバイトが控えている緊張感からか、どうやら今の私の危機察知能力は最大まで引き上げられているらしい。
｢何、どうしたんですか｣
｢よぉ。気を付けた方が良いぜ。なんせお前にバイト持ちかけた女、頭おかしいみてェだから。｣
頭おかしいのは既知の事実でしょう。言いかけて、止めた。
なんせ普段からストーカーされている万事屋が投げ飛ばす程の事態だ。彼女の頭がおかしいと再認識する事件が起こったのだろう。
･･･詳細を聞くつもりもないけれど。
｢･･･大丈夫ですか、あれで今日仕事できます？｣
階下で伸びている彼女が、本当にこのあと始末屋の仕事を遂行できるのか。
･･･だって自分が始末されちゃってるし。
｢あれくらいでくたばってくれるんなら、こっちも長ェことストーカー被害者にはなってねェ。｣
｢･･･なるほど｣
｢･･････さすがは銀さん。投げ飛ばすだなんて今日は一段とハードなプレイじゃないの！｣
そんなことを叫びながらもぞもぞと動く彼女は確かに無事みたいだ。
始末屋なんて職業をやっているくらいだし、頑丈なのかもしれない。
まぁ･･･その頑丈さを生かしてストーカー行為というのが少し･･･いや、かなり疑問ではあるけれど。
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ξεグリムэЭ(プロフ) - 白桜姫さん» コメントありがとうございます！ただいま編集作業行なっておりますので、公開まで今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m (2018年11月12日 3時) (
レス) id: 0498653311 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き見たいです (2018年11月9日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ξεグリムэЗ | 作成日時：2018年5月15日 5時
