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地獄を見る未来 ページ30

「・・・銀さん、これはどういうことかしら?」

「コイツがお前に会いたいって言うから。」


・・・違う、なんか思っていたのと違う。
確かに万事屋に惚れているような物好きがいるなら会ってみたい、とは言った。
しかし私が想像していたのは、もっとこう・・・「この人がどうして万事屋に!?」みたいな展開だった。

今私の目の前にいるのは初めて私が依頼をするときに会話をした女性。
つまり、引き出しから出てきたストーカーだ。


「あなた、前に依頼に来た人よね?私に会いたいってどういうこと?まさか宣戦布告?」

「宣戦布告・・・?」

「言っておくけど銀さんは渡さないわよ!」


・・・違う、やっぱり違う。
こんな面倒なことになるなんて思ってもいなかった。


「誤解です。別に万事屋に好意なんてないので。」


万事屋に惚れているような物好き・・・この人が万事屋に惚れていても別に驚きはないし、むしろ類は友を呼ぶというか。


「おい、お前今絶対失礼なこと考えてただろ」

「・・・考えてません」


顔に出てしまっていたのだろうか、危ない危ない。


「・・・それにしてもあなた、結構男好きする容姿してるじゃない?」

「はい?」


ストーカーの女性に、急に頭からつま先までをじっと見つめられ、私は何故か緊張してしまう。


「えっと・・・なんでしょう・・・」

「あなた、ちょっとバイトしない?1回きりの仕事だけど、報酬は弾むわよ。」


バイト?バイトってあのバイト・・・?
緊張で鼓動を早めていた心臓が、今度は期待で鼓動を早める。


「ぜひお願いします!」


願ってもみなかった。
まさか万事屋とのくだらない言い争いから、こんな素敵な展開が待ち受けていようとは。

目の前のストーカーが一転、私には彼女が女神様に見える。


「仕事をクビになって困ってたんです!1回きりでもなんでも良いので、とにかくやらせてください!」

「おいおい。そんな即決しちまって良いのか?コイツが持ちかけるような仕事、絶対ロクなもんじゃねェよ?」

「だって報酬は弾むって!最高じゃないですか!」

「俺には、お前が報酬につられて地獄を見る未来が見えたわ。」

「万事屋が思うようなことにはなりませんよ。・・・で、詳しい話を聞かせてもらえますか?」


万事屋から女神様に視線を移せば、彼女は口角を少し上げて。


「簡単よ。あなたには囮になってもらう。」


・・・・・・・・・見えた。私にも。地獄を見る未来。

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ξεグリムэЭ(プロフ) - 白桜姫さん» コメントありがとうございます!ただいま編集作業行なっておりますので、公開まで今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m (2018年11月12日 3時) (レス) id: 0498653311 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き見たいです (2018年11月9日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2018年5月15日 5時

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