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大問題 ページ26

万事屋からホテルに戻る道中、私はあることを考え続けていた。

・・・仕事、どうしよう。

キャバクラをクビになり、もちろん収入ゼロ。
日払いで貰っていたお給料も大した貯蓄にはなっていないし、しばらくの食事くらいはなんとかなるだろうが、このまま無職というわけにもいかない。


「もう男相手の仕事はやめておきたいし・・・」


居酒屋、キャバクラ、と似たようなクビ宣告の歴史を繰り返し、私は学習した。

向いていない仕事だ、と。

居酒屋もキャバクラも酔った男を相手にして、なおかつ私自身はお酒が飲めないなど、むしろ何故こなせると思っていたのか。

過去の間違いを振り切るように周囲を見回せば、それだけで人手を募る数ヵ所の貼り紙が目に入る。
視野を広げれば働き口候補は簡単に見つかるらしい。


「とりあえずホテルで色々考えるか」


今は冷静に思考をまとめたい。
そんな思いでホテルの入口へ足を進めたとき、後ろから久しい声が聞こえた。


「おい、そこの無職」

「・・・うるさいな税金泥棒」


なんとなく、近いうちに会うような気がしていた。

根拠なんてものはないし、それが私の願望だと言われればそうなのかもしれないけれど。


「クビになったらしいな」

「近藤さんにでも聞いたわけ?」

「総悟を介しての又聞きだが。大体、テメェから報告してくるのが普通だろうが」

「・・・興味、ないんじゃないの」

「は?」


我ながら情けない声で問いかけたものだと思う。

妹だ、なんて突然現れて、金をくれだの金を取り戻したいだのと散々振り回した。
母が亡くなって以降1人だったせいか、当初お金のために探していた兄は、私の中でいつの間にか「土方十四郎という家族」に昇格していたわけで。

でも、一方通行。


「・・・私がクビになろうが、十四郎は興味ないんじゃないの」

「興味なかったらわざわざここには来てねぇよ」

「それは十四郎の部下が・・・沖田さんがアパート破壊したから、仕事の延長でしょ」


そもそも何の用で十四郎がここにいるのか。

そんな真っ先に聞くべき質問が浮かばないほどには、私は「家族」について迷っているらしい。

話しているうち何故だか目頭が熱くなって、堪えきれなかった。


「なんで泣いてんだ」


困ったように頭に手を乗せられて、その優しい声色が余計に苦しかった。

だから、ここで私の意識を十四郎から引き離したヤツ(・・)には感謝しよう。


「ホテルの前で女泣かせるとは大問題じゃね?」

2人分の睨み→←貸し



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ξεグリムэЭ(プロフ) - 白桜姫さん» コメントありがとうございます!ただいま編集作業行なっておりますので、公開まで今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m (2018年11月12日 3時) (レス) id: 0498653311 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き見たいです (2018年11月9日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2018年5月15日 5時

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