３５１４話 ページ3
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驚きを隠せなかったのは当事者のみならず、その場に居た数名の人間全てであり、喧しいくらいの雨音がまるでただの静寂かのように機能しなくなる。
"「情けない」"
ふふ、そんな微笑みを浮かべながら、今まで聞いたこともない優しい声でそう告げると目線を合わせて「おいで」なんて手を広げ、膝を折り畳んだのだ。母上と呼ばれた女性が、娘であろう幼女にそのような言葉をかけたのは、初めてと言っても過言ではなかった。
戸惑いを隠す余裕を失い、涙に濡れた肌を不器用に腕で拭い、まだ未熟な足で地に立ち上がると、ゆっくりと艶やかが香る可憐な女性の胸の中に飛び込んでみる。
それは、幼き人生の中で最大の勇気を見せた瞬間であった。
"「雷様に怒られたくはないだろう？」"
"「雷様？」"
"「あれはね、おまえがいつまでもここで泣いているから、警告を鳴らしてくれているのさ」"
雷鳴を警告だと言い放つ母親に、幼女はその小さい頭でそうだと理解して「でももう少し、優しく警告してくれてもいいですよね」と頬を膨らます。すると「それもそうね」と口角を上げ、すぐに腕を緩めた。
"「警告を無視して挙句の果てに風邪を引く、なんて馬鹿な真似をしてはならないわ。でないと、おへそを取られてしまう」
"「おへそを取られてしまうのですか･･･？」"
「ええ」からかうように頷くと、続けざまに「さ、お部屋へお戻り？」そう言って背中をポン、と力を込めず撫でるよう叩いた。
どうしてか、本当にどうしてか分からないが、滅多に自ら声をかけてくれることのない母親からの言葉にジーンと来てしまっていて、幼い頃の私はふつふつと沸き上がる元気と歓喜に、再び涙を流しそうになったのだった。
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堕天使(プロフ) - ミズキさん» ありがとうございます！！私なんて全然まだまだですけれど、女隊士序盤と比べると少し進化できてるのかも知れません、変化を見届けてくれる人がいるのは本当に幸せです。これからも応援、よろしくお願い致します…！！ (2018年7月25日 19時) (
レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 青柳さん» こちらこそリクエストありがとう！！！またして！！！ね！！！がんばる！！！！！ (2018年7月25日 19時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 柚木さん» ありがとうございます！！嬉しい限りです！とても！！頑張ります！！ (2018年7月25日 19時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - りおねるさん» ありがとうございます！楽しんでいただけたでしょうか。これからも応援よろしくおねがいします！ (2018年7月25日 19時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - おとさん» だいすき (2018年7月25日 19時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：堕天使
| 作成日時：2018年7月7日 5時
