【銀魂】女隊士と愉快な仲間達６９

３２６４話 ページ31

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「はーい、検問にご協力くださーい」



ひったくり事件が数件勃発し、被害者の証言と不審人物の目撃証言を元に辺り一帯、検問中。犯人の特徴は、小柄で全身黒尽くしの服装に、黒のワンボックスカー。つい数十分前に起こった事件なので、まだこの辺りに居る筈なのだ。

そして、最近酒気帯び運転による事故も多発している。それを取り締まる為にも、真選組一同これをサボる事は出来なかった。



「寒いのに大変だねえ」



仕事終わりと思われるスーツ姿の男性は、同情するような目でこちらを見る。「いえいえ、仕事ですので」と苦笑いしつつ得意の猫かぶりを発動させていれば、助手席に無造作に置いてあったレジ袋から、缶コーヒーのブラックを一本取り出した。



「これあげるよ」

「えぇ、悪いですよそんなぁ」

「いーからいーから。女隊士さんの噂は常々耳にするし、感謝の気持ちだよ」

「んじゃぁ、ありがたく頂いちゃいますね」

「うん、頑張ってね」

「ありがとうございます、ご協力ありがとうございましたー」



まだ温かさを帯びている缶は、冷え切っていた私の手から寒さをゆっくりと取り除いていった。ウィーンと車窓を閉め、軽く会釈をして発信した黒い車に頭を下げると、じとーっと見つめる桃太郎が目に入った。



「なに」

桃太郎「べつに」

「なんだよそれ」



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