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No.31「私は“あんた”を、絶対に許さないから」 ページ41

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「最近さ、あんたの兄さん何も言わなくなってきたね」



放課後、ヘアアイロンで髪を伸ばしてるサヤナが言ってきた




「たしかに、それチイも思ってたー」

「仲直りでもしたの?」




「ないない、やっとあいつも大人になったんでしょ」






何も言わなくなった。

当然だ、今のあいつは別人なのだから。






「(そっちの方が私的には好都合だけどね)」


グチグチ言われるより今の方が快適だ。






以前の兄が可哀想じゃないのか?


悪いけど私はそんなに優しい人間じゃない。そんなことは全く思わない。





赤司の血が入っている人間すべてが嫌い。

兄のことなんてもっと。どっちの兄も、もがき苦しんでいればいい。









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「えーっ、A今日無理なの!?」

「ごめん〜!今度絶対行くから!」



合コンの誘いを適当な理由で断る。

大事な友人の誘いを断るのは胸が痛むが、合コンだけは絶対に参加したくない。









そそくさと合コンに向かっていく友人たちを見送りながら、廊下を歩く。









.









「やあ、A」

「…」



出た。出やがった。







「またあんたが出てくるってことは、あの人ってとことんまで弱い人間だね」

「…そうだね、そう言っていたよ。逃げる自分を許して欲しい、とも」

「許す?私が?あの人を?…冗談じゃない、せいぜいずっと引きこもってろっての。二度と戻らなくてもいい」


「……羨ましい」





はあ?

こいつはあの人以上にめんどくさい性格だ






「そう言っていたよ、征十郎が。自由でいられるお前が羨ましいと」

「はっ…嫌味にしか聞こえないけどね」




聞いてるだけでイライラする。何がいいたい?こいつらは。









「じゃあ、時間があったらあいつに言っといて。
私はあんたも、あの人も大嫌い。この先何があろうとそれは絶対に変わらない。

私が今までどんだけ苦しんできたか…甘く見すぎなんだよお前ら。





この体に同じ血が流れてるだけで気味が悪い」




「、」







「私は“あんた”を、絶対に許さないから」









言い切って背を向ける。正直言い足りなかったのだが、これ以上あいつの顔を見たくない。





少しだけ見えたあいつの顔は、やっぱり私と似ていた。



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No.32「っ、貴方がそんなだから、あの子も征十郎も壊れるんだ!」→←No.30“俺”と“僕”



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Minami - ありがとうございます。神作です。語彙力失いました。 (2020年9月6日 19時) (レス) id: fff859bb45 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりに - もし私の間違えなら申し訳ありませんが、キセキの世代がいる学校ということは中学生のはずなのですが、作中では現在高校生のように描かれているのは何故でしょうか? (2019年4月2日 12時) (レス) id: b3d68cf6a0 (このIDを非表示/違反報告)
つき - 笑いあり涙ありってほんとコレ。過去1最高の作品だわ (2018年10月19日 22時) (レス) id: 7f1a7cb095 (このIDを非表示/違反報告)
レオ - 赤司のシスコン発言に対してのキセキのツッコミが面白いww (2018年4月2日 20時) (レス) id: ee52622bf1 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶パフェ - 今まで見てきた黒バス作品でも上位に入る!ってか一位だわこれ!見てて飽きなかった!Good job 作者!! (2017年10月1日 5時) (レス) id: b2e6687e3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:壬生狼 | 作成日時:2014年9月22日 21時

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