No.17「そんなんだから、あんたのこと大嫌いなんだよ」 ページ19
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「「あ」」
さあ皆さんご一緒に。せーの、
最悪だ。
職員室を出てからバッタリ会ってしまった。私の体もバッタリ倒れそうだ。
とりあえず、いつものようにフルシカト「おいA」をすると必ずこうなるのでとりあえず睨む。
目の前の自分そっくりな顔が目を細める。
もーイライラするのも疲れた。
「おい聞いているのか「きーてますともなんでございましょーごしそくさま。」
自分の言葉を遮られたのが気に食わなかったのか、さらに目を細める片割れ。
「私はきちんとアンタの言葉を聞いてる。その証拠にアンタから目をそらしていない。黙って聞いてた。それでもなんか不満がおありで?」
「そうではない。人の言葉を遮るのが相手に対して失礼だということは赤司の人間なら知っていて当然だ。それから、この間のテストはなんだ。」
あーあ。なんなんだ。同じことしか言えないのかなあ、赤司信者って。
「お前はこの際点数はいい。お前はもう少し努力をすべきだ」
小学生にでも言うかのように簡単にまとめられた。
もうそれさえ聞き飽きた。きっとまだ私が幼かった頃は、この言葉に何度もズタズタにされてしまったのだろうが、今はそんなことない。真面目に反応してしまっては無駄に体力が削られることをすでに理解している。
私が正常で、兄が異常。だから傷つくことなんてない。
「いい加減、当たり前のことをできる努力をしたらどうだ。それでも赤司の…俺の片割れか?」
努力が足りない。まさか、こんな奴に言われるとは。
努力しなくても常に完璧なこいつに、勝利が基礎代謝のこいつに、
私なんかとは違う、赤司の名にふさわしいこいつに。
毎度毎度テストが行われるたび、こいつの視界に私が入るたび、こいつの機嫌が悪いたび
こいつは私に努力しろ、などと言ってくる。
当の本人は、かつて私が必死に努力してきたときよりも勉強は短時間だし、しないときが多い。
その度私は片割れともう片割れの違いに絶望してきた。
そして今も尚、親に双子なのに、と絶望される。
今までならウザイだのキモイだの言ってその場を去ってきた。
が、もうすでに職員室でそんな気力を使い果たしてきた。
気がついたら、というか無意識に口が勝手に吐き出していた。
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「それだから、あんたのこと大嫌いなんだよ」
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Minami - ありがとうございます。神作です。語彙力失いました。 (2020年9月6日 19時) (レス) id: fff859bb45 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりに - もし私の間違えなら申し訳ありませんが、キセキの世代がいる学校ということは中学生のはずなのですが、作中では現在高校生のように描かれているのは何故でしょうか? (2019年4月2日 12時) (レス) id: b3d68cf6a0 (このIDを非表示/違反報告)
つき - 笑いあり涙ありってほんとコレ。過去1最高の作品だわ (2018年10月19日 22時) (レス) id: 7f1a7cb095 (このIDを非表示/違反報告)
レオ - 赤司のシスコン発言に対してのキセキのツッコミが面白いww (2018年4月2日 20時) (レス) id: ee52622bf1 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶パフェ - 今まで見てきた黒バス作品でも上位に入る!ってか一位だわこれ!見てて飽きなかった!Good job 作者!! (2017年10月1日 5時) (レス) id: b2e6687e3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壬生狼 | 作成日時:2014年9月22日 21時