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ガシャンッ!
レクイエムの2人がシャッターを蹴破り倒してチンピラ共が立てこもる工場の中へと入っていく。
ちらりと視線で合図してバラバラに散っていく。
キュイィッ___と回転する弾が頬をギリギリ掠めていく。
暗闇の中に拳を打ち放てば、不意をつかれた輩が血を噴き出しながら倒れて行った。
「あ、お前見たことあんな。……ッチ、みっともねぇ顔」
胸倉を掴んで引き寄せ、顎に1つアッパーを。
人間から鳴っちゃいけない音が聞こえた気がしたが…ま、気のせいだろ。
「ジッ、ジジッ……猟犬に告ぐ。05、右奥扉、そこに頭と思わしき者が逃げ込むのが見えた。繰り返す_____」
「了解」
腰に既に弾が装填されている銃を隠し、念入りに研いだナイフで迫り来る輩の喉やら胸やらを掻っ切って頭を撥ね飛ばしながらその場所へと向かう。
あぁ、ここにアイツがいたらもうちっと気が楽だったろうな。
ナイターに全部任せて出てきちまった。
ちゃんとそばにいてやれたらと今更ながらに後悔しているが、ボスが指名したんだ。逆らえない。
帰ったら目覚めていることを祈ろう。
「っ、たくよォ!!……あ゚?」
「もう少し早く来れなかったんですか?危うくワタシの手によって命を落とすところでしたよ、このヒト」
入口に纏められた木箱を蹴散らしながら室内に突入すれば、頭と思われる輩の前にしゃがんでカチカチと爪を鳴らすクローがいた。
横取りすんなよ、と押しのけるようにその横に立つ。
そして爪先でそいつの顎を蹴りあげた。
「あっれ…どっかで見た顔だと思ったら。懐かしいなぁ、覚えてるか?
いや覚えてねーだろうな。こんな豚みたいなチッセェ脳じゃな!」
「貴方が無能だと手放した犬は別の所で活躍してますよ。命令がしっかり聞けて待てもしっかり出来る頭のいいワンちゃんです」
ナイフを手の上で踊らせて、今からこれでお前を殺すからなと見せつける。
「ハウンド、か…??そっ、そうだ!お前なら分かってくれる、お前ならきっ……アガッ!!」
黙れの意をこめて意地汚いモンが詰まった腹めがけて真っ直ぐに突き刺す。
「男に二言は要らないが?」
「殺しちゃダメですからね?このヒトが全てを握っているんですから」
相手が欲しがってた書類を目の前でチラつかせて。勿論それはレプリカ。
そのうちクローも面白がって臓物を引き出そうと脅したり。
打撲、刺傷、殴り蹴り、日頃の鬱憤を晴らして絶命寸前まで追い込んだその時だった。
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作者名:白狐-bilyakko- | 作成日時:2022年1月22日 1時