さんじゅういち。 ページ32
◇
「本当に買ってもらって良かったアルか？」
神楽は胸に大事そうに抱えた紙袋を揺らす。
その紙袋の中には駄菓子屋で買ったお菓子や、神楽の好物だという酢昆布が入っている。
『うん、こっちのお金持ってても帰ったら使えないだろうし』
「こっちのお金？」
話を聞けば神楽は他の星から来た天人で、住み込みで働かせてもらっているそうだ。
お世話になっている家の人がお給料を払ってくれない、ということを聞いたAは神楽に酢昆布をプレゼントした。
自分はいつか元の世界、もしくはツイステッドワンダーランドに戻る身。
この世界のお金を持っていても使い道はないだろう。
Aはどう説明しようか考えたが、誤魔化すことはせず正直に話すことにした。
『私、この世界の人間じゃないから』
「私と同じ天人ってこと？ 詳しく聞きたいネ！」
『いいよ』
Aは神楽に自分がこの世界の人間ではないこと。
自分は使えないが、魔法の使える世界からやってきたことを話した。
話を聞いている内に神楽の目が、キラキラと輝きだしたことにAは気がついていた。
「フォォオ！！ A、凄いアル！ 魔法使いは本当に存在するネ！」
『私は使えないんだけどね。人魚が変身して人間になってたり、動物の耳が生えた獣人もいるよ』
「マジカルな世界ヒャッホーウッ！ 私もAの世界にいつか行ってみたいアル！」
大興奮の神楽にAは思わず笑みを浮かべる。
妹がいたらこんな感じなんだろうか。
Aは兄や男集団の中で過ごしていたからか、神楽がとても可愛く感じていた。
『いつか遊びにきてね』
「うんっ！」
「あら？ そこにいるのは神楽ちゃんじゃない」
神楽の名前を呼んだ綺麗な声にAは振り返る。
そこには鮮やかな桃色の着物を着た可愛らしい女性がこちらに歩いてきていた。
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ここ(プロフ) - れいなそんさん» れいなそんさん、コメントありがとうございます^ ^更新が不定期で申し訳ありません…！本日更新いたしましたので楽しんでいただけると嬉しいです。 (2021年6月20日 9時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
れいなそん - ｱｯ神作やぁ…一体誰が呼んだんだろ…続きが気になるんじゃ (2021年6月20日 8時) (レス) id: 509e7f7d74 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - RENKAさん» RENKAさん、面白いと言ってくださりありがとうございます。一体誰が呼んだんでしょうか…？次の更新をお楽しみにです^ ^ (2021年5月7日 7時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - めっちゃ面白いです！一体誰が呼んだんだ？？気になる…！！ (2021年5月6日 23時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 雪見大福さん» 雪見大福さんコメントありがとうございます！さてさて、一体誰でしょうね？？^ ^ (2021年5月4日 8時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ここ
| 作成日時：2020年12月17日 13時
