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昨日のあれは夢だったのか。金と茶のあいだといったような明るい髪色。端正な顔立ち。そんな男性が、俺のことを好いていると言った
...結局昨日帰路に着いたのは、3時ごろ。
遅くまで賑わい、最後の方は自分が何をしているのかもわからないような、まさに目が回るような一晩だった。普段の金曜より増して忙しかったと思う。
眠い目を擦り時計を見ると、7:10
デジタルには趣がないが、本来の目的を果たすには秒針がついているよりも適している
どうせ大して用のない緑のSNSも、毎朝チェックするのが日課になっていて
"お前目当て増えてきたじゃん、やったな"
4時過ぎに樹から送られてきていたそれに既読だけつけて。あと1時間だけ寝よう。そう思ってもう一度目を閉じた。
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ー 週末も終わりにさしかかった夕方、既読無視をしていた樹からまた通知が鳴る
"いまから飯いかね?"
ちょうど空腹になる頃を狙ってくるのがいかにも彼らしい
"いいよ 適当にそっちいくわ"
読みかけの小説を閉じた。以前本屋で見つけた、お気に入りの栞を挟んで
スウェット上下からパンツとTシャツ、カーディガンを羽織ったスタイルに着替えて
友達や恋人なんかたいしていたこともないくせに一丁前に身につけたヘアセットを行って
ちょっと鼻歌なんか歌ってしまっている気持ち悪い俺は、家を出た
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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年8月3日 22時