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「あ、やっときた。俺1時間待ったよ。」
「そうだったんですか。今日21時から出勤予定だったんで」
「うん、ジュリから聞いたよ
次から出勤時間聞かないとだな...」
1時間弱待ってた割には嬉しそうにグラスをゆらゆらとさせる。口角は横にひかれていて綺麗な歯並びがちらつく
「2軒目ですか」
「えぇー、ばれちゃった?さっき友達と飯食ったときに飲んできちゃったんだよね。」
"へへ、北斗は鋭いなぁ〜" じゃないのよ。本当にこの人は
「...別に他意はないんですけど、毎日飲んでる人ですか?」
「うーん、そうだね。今まではそんなことも無かったんだけどさ。...北斗くんに会うには飲まなきゃだから仕方ないよね」
「それはどういった、」
俺に会うために飲む。飲まないと会えない。そもそも酒が入ってないと話せない人間なのか、俺と話すには酒が必要なのか、その言葉の真意にはいくつかの候補があるような気がする
「俺が望んでも北斗くんのプライベートは奪えないからね。会いたかったらここに来るしかないわけじゃん?で、飲まざるを得ないってわけ」
"仕事とプライベートしっかり分けてるタイプなんでしょ?" と彼は続けた。よく知ってんなと思ったけど、そういえばその話ジェシーさんにしたな。あの人ならベラベラとくっちゃべりそうな気がする
「そういうことならノンアルコールのカクテル作りますよ全然。」
「うーん、でもなぁ...」
大我さんは机に突っ伏したと思えば、その姿勢で顔だけこちらに向ける。酔っ払った女みたいなポーズだなと思った。酒に飲まれる人間がチラついた。...俺の嫌いな人種だ
「なんですか」
「...シラフで北斗くんに会えるかと言われたら俺は疑問なんだよ」
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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年8月3日 22時