gin and tonic [kym×hkt] (ページ1)

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大学生、それはなんだかチャラけたような、それでいて未来がなんとなく約束されているような。

...勝手にいろいろ思ってたわけだけど、現実はそんな楽勝ではなく。とくに、コミュ弱の俺には

「松村くん、今晩ご飯行きませんか？」

「あ、バイトで。俺。」

どうやら容姿に恵まれたらしい自分に、今日も女から声がかかる。こういうのって常思うんだけど、大して知らない相手と飯行って何話すの？

かっこいいですね、かわいいね、そんな薄っぺらいやりとりして、なんかホテルとか行って、そんな感じ？

なんか生産性ないし、それが人生の彩りになるとは思えないんだよな。そんなことしてるならほら、

「今回の新作はあたりだな...」

背景に星があるみたいな名前のついたコーヒーショップの新作を飲みながら読む小説の方がよっぽど有意義な時間をもたらしてくれるに決まっている

人が嫌いってわけじゃないし、話すのは好きだったのに
どっかで拗らせて、今こんな感じの大学生になっているのは両親も不本意だろうなとか思ったりもする

そろそろ時間かな、と席を立って。プラスチックと紙コップは分別する

ストローが何も言わないと紙になった近頃は、わざわざ"プラスチックのストローをつけてください" と伝えなくてはならない。
紙のストローはトイレットペーパーを吸っているみたいな、そんな感覚になるから嫌い

面倒な世の中になっていく一方だな。そんなことを考えながら店を後にした