【51】坂田side ページ15
し「…あんな。まだうらたさんにもセンラさんにも言ってないんやけど、春になってAが合格してたら、Aに会いに行かん?勿論、プライベートで」
さ「いいけど、何しに行くん?」
し「合格祝い。やっぱり直接祝ってあげたいじゃん?」
合格祝いか。確かにいいかもしれない。
Aに会うことができるし、今苦労している分合格したら楽しませてあげたい。
正直に言えば、喜んでくれるAの姿を見たいし。
し「あとさ…俺らが浦島坂田船だってことを伝えるのは、やっぱり直接の方がいいしな」
少し躊躇いながら、それでもハッキリとした口調でそういった。
さ「…せやね。電話やったら勘違いをさせてしまった時に、誤解を解くことが難しくなるからな」
し「そういうこと。…たださ、一つ心配があってな?」
さ「心配…?」
し「あぁ…俺らが浦島坂田船だって伝えた時に、今みたいに頻繁に連絡とったり、仲良くしたりすることができるかなって」
さ「大丈夫、じゃないかな?口には出てないけど、今だってAは俺達が浦島坂田船だって気づいているし」
志麻くんの言葉に少し不安になりながらも、そう言葉を返す。
し「俺も大丈夫だとは思うけどさ。気づいているとしても一応隠して、あくまで普通の人として接しているから、真実を話した時に、俺らに気を使うようになるんやないかなって思ってしまって…な」
さ「……」
し「まぁ、そうならんようにする為にも直接行って、伝えた方がええと思うやけど…どうやろか?」
さ「…いいと思うよ。勘違いして欲しくないし、変に気を使われなくもないから。それに…これから先もずっと仲良くしていたいから…」
し「…了解。二人には俺の方から伝えてみるわ。悪いな、寝る前にこんな事を言ってしまって」
さ「大丈夫。気にせんでええよ」
し「あぁ、ありがとう。おやすみ」
「おやすみ」と志麻くんに返した後、暫くしてから志麻くんの寝息も聞こえてきた。
(「真実を話した時に、俺らに気を使うようになるんやないかなって思ってしまって…な」)
先程の言葉が頭で再生された。
考えてもいなかった。
もしかしたら、今みたいに仲良く出来なくなるかもしれないなんて。
もし、そうなったら…俺は…
そこまで想像して、その考えを振り切る。
そうならんように福岡に行くんやから、変に不安になるのは辞めんと。
そっと目を閉じると、俺もそのまま眠りに落ちていった。
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八重桜(プロフ) - ゆみかさん» 初コメありがとうございます!やはりうらさんでしたか…(白目)教えて下さりありがとうございます!更新は遅めですが、頑張ります! (2020年3月12日 3時) (レス) id: 62b3e739f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみか(プロフ) - 初コメ失礼します!確かうらさんって読んでいた気がします!とっても面白いのでこれからも頑張ってください! (2020年3月8日 13時) (レス) id: bac69d1b88 (このIDを非表示/違反報告)
八重桜(プロフ) - そらるなさん» コメントありがとうございます!楽しんで貰えたようで嬉しいです!これからも更新頑張っていきます! (2020年2月22日 5時) (レス) id: 62b3e739f9 (このIDを非表示/違反報告)
八重桜(プロフ) - over the rainさん» いつもコメントありがとうございます!無事に更新できました(汗)これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2020年2月22日 5時) (レス) id: 62b3e739f9 (このIDを非表示/違反報告)
そらるな - 最初から見ました! すっごく面白かったです。 更新頑張ってください! (2020年2月15日 18時) (レス) id: 4a84e506c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八重桜 | 作成日時:2019年9月23日 4時