【歌い手】出会いは偶然…だったよね？【浦島坂田船】

【32】坂田side ページ43

久しぶりにAの声を聞いて、ずっと顔がにやけている。
カメラ着きじゃなくて良かった…。

実はこの電話をする前、俺ら四人だけのグループの方で話していた。
というのも、もうすぐ夏ツアーのファイナルがあるから、その話し合いをしていた。

はずだったんだけど…

どういう訳か途中からAの話になって、久しぶりに話したいね、みたいな方向に話が進んでいった。
まぁ、原因は俺にあるんやけどな。

✱✱✱

う｢じゃあ、この日はファイナルだからセンラマンは前日入りするようにしてくれ。まーしぃと坂田は当日、遅刻しないように。｣

し｢りょーかい。｣
セ｢了解です。｣

さ｢……｣

う｢ん？おーい、坂田？聞こえてんのか？｣

さ｢…あ、ごめん。何て？｣


うらたさんの言葉にハッとして慌てて返事をすると、｢お前なぁ｣と呆れた声が聞こえてきた。
やばい。多分やけど大事なことを聴き逃したんや。


さ｢ご、ごめんて！もう一回言ってくれん？｣

う｢ファイナルの日は遅刻しないようしろって言ったんだ。…お前大丈夫か？｣

し｢いきなりぼーっとしだしたな。疲れてんのか？｣

セ｢まぁここ最近はリハ続きでしたし、今日は寝るんやで。｣

さ｢いや、別に疲れてる訳じゃないねん。｣


心配してくれる三人に感謝しつつ、訂正する。


し｢疲れてないなら、何でぼーっとしてたんや？｣

さ｢えっと…ファイナルの日、Aの体育祭がある日やなーって思って…｣

セ｢…あれ。体育祭ってその日だっけ。｣

さ｢うん。この前L○NEで言ってたわ。｣

う｢あー…そういやそうだっけ。すっかり忘れてたな。｣


うらたさんが言い終えたあと、何故か誰も喋らなくなってしまった。
え、なんで？


セ｢…A、元気やろか？｣

う｢元気、だとは思う。昨日も普通に返事返ってきたし。｣

し｢でもアイツ、結構溜め込むタイプやからなぁ。心配や。｣


あ、Aのことを考えてたんやね。納得。

でも、志麻くんの言う通り少し心配。
初めて会った時も思ったけど、Aは優しすぎる。
俺らのことを心配してくれたのは嬉しかったけど、もう少し自分の心配もして欲しいって思った。


さ｢…なぁ、折角やから久しぶりにAとも一緒に電話せん？｣

う｢いや、それは流石に…｣
し｢せやね。俺も久しぶりに声聞きたいし。｣

セ｢ちょっとだけやったら大丈夫、かな？｣

う｢おい、お前ら…｣
さ｢じゃあ、俺グループで声かけてみるな！｣

う｢おい！俺の話聞け！｣

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