【銀魂】愛され少女は最強だった！？

25* 服を貰います ページ26

ま「Aッ！ これなんかどうッスか？」

「わぁ、可愛いー！」

ま「じゃ、これも！」

「…あ」


江戸に着いたのは良いものの、彼女は今…この江戸一を誇る呉服店に来ている。
…現世で言う、謂わば“ショッピングモール”。

そして、Aが可愛いと言った呉服は全てまた子の手に乗せられていくのだった。


「あの…また子さん、買い過ぎじゃ、」

ま「えー？ こんなの、まだまだっスよ？」

「でも、申し訳ないですよ！」

ま「……じゃあ、一つ交換条件があるっス！」

「何ですか？」


もうすでに10着以上の着物を手にしているまた子がピタリと動きを止める。
振り返った彼女の顔は清々しい笑顔だった。


ま「アタシの事、また子って呼んでくださいっス！」

「え、ええ…！？」

ま「知ってるんスよ〜！ 晋助様の事は、名前で呼んでるって！」

「いや、それは…！」

ま「…じゃ、まだ買うっス」

「えええ！！」


寂しい顔してまた子がそっぽを向いたので、Aが慌てて引き止める。


「ま……また子！」

ま「…！！」

「また子…これから…よろしくね」

ま「……〜〜！ もちろんっスゥ！！」


また子の服の裾を掴んでAがそう言った。
すると余程嬉しかったのか、金髪を振り乱しながらまた子がるんるんとレジに向かって行った。


＊


「本当にありがとう…こんなにたくさん」

ま「いいや〜？ いいんスよ！ 晋助様の依頼だし
何より、Aだから、いいんス！」

「…ありがとう、また子！ 大事にする」

ま「もう〜〜！ 可愛過ぎっスぅぅ！」


――そして、また子がもう行かなければならないらしく。
涙を轟々流しながら彼女に泣きついた。


ま「もうマジ離れたくないっスよォ〜！
絶対また遊びに来てくださいっスよー！」

「うん！ 絶対遊びに行く！
晋助さんにもお礼言っておいてくれるかな？」

ま「もちろんっス！ じゃA、また会おうっスー！！」


そうして、見えなくなるまでずっとまた子に手を振って。
彼女とは感動(？)の別れを成した。


「さーてと…とりあえず、この服持って帰るか」


彼女から渡された3つにも渡る大きな紙袋。
よいしょ、と、重いそれをもう一度抱え直し、歩き出した時。

後ろから、右手に持っていた２つの紙袋が掬われた。


「…！」


軽くなった右腕を見て、そして隣を見やる。
そこには、黒い隊服。栗毛色の髪。


総「たく…なんつー重いもん持ってんだ」

「総悟！」

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