【銀魂】愛され少女は最強だった！？

22* 過激派に出会います ページ23

『ごめんね！ ごめんね！！
間違えて江戸じゃない所に飛ばしちゃった！！』

「はぁ？ 飛ばしちゃった、じゃないよ！
私はどうしたらいいの？」


神の言葉によれば、江戸へはそこから約５キロ程。
歩いていける距離ではあるが、1時間以上かかる。

先程まで仲良く喋っていた二人だったのに
神の手違いで元どおりの関係に戻ってしまった。


「おお神よ…救いたまえ…
って神がクズだったわ！！！」

『ひーん！ そんな言い方しないでようー！』

「女子高生に長い距離歩かせてなにが楽しいのよ！
もう知らないっ！！」


姿の見えない神に激怒して、ぶつくさ言いながら
この大草原を足音立てて歩き始めたA。

…だが10分程歩いた所で
ついにへたり込んでしまって。


「あーん、もうっ、疲れた！
喉も渇いたし…だれも居ないし…誰もいない…」


澄み渡る空を見上げて、眉を下げるA。
誰も返してくれない独り言に、ため息をついた。


「ここに、誰か来てくれないかなぁ…」


草原にごろりと寝転がって目を閉じる。
……すると、彼女以外の人の気配がして。


？「……おい、女」

「…！」


どこか聞いた事のあるような声に
ゆっくりと瞼を上げる。

…そこには、太陽に照らされた紫髪があって。

逆光でよく見えなかったが、瞬時に何者かを理解して
Aが目を見開いた。


「…っえ、」

？「こんな所で何してる？
それに何故洋装を…日本語、わかるか？」

「…あ、はい、…」


左目を包帯で隠して、キセルを吹く女形着物の男。
小柄だが、迫力のあるその姿に、慌てて起き上がる。

――…知ってる。この人。大好きな、あの人。

内心バクバクしてるのだが、リアクションが薄いのは
あまりにも驚きすぎているから。


？「…………迷子か？」

「……は、い」

？「何処へ行きてェんだ」

「え、と…あの、江戸に」

？「ククッ…阿保面してやがる」


妖艶な笑みを浮かべながら
Aに手を差しのべたその男。

それを遠慮がちに取ると、男がぐい、と引っ張った。


？「なら、連れて行ってやるよ、江戸までよォ」

「…え！ 本当に！」

？「フッ……丁度暇潰しに散歩してた所だ」

「あ、の…ありがとうございます」


少し上の彼を上目遣いで見やると
吊り上がった目を細くした紫髪の男。

…やがて、ポツリと男が呟いて。


？「…お前ェ、名は」

「沖田、Aです」

？「そうか」

「あなたは？」



？「――…高杉 晋助だ」

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