22 ページ26
.
itsuki.
「2年前にある映画の撮影をしててクランクアップしたあとに打ち上げがあったの。打ち上げも後半になると帰る人もいて人も少なくなってきてた。私がお手洗いに行って席を外して戻ったら、共演者の人にジュースをすすめられたの。飲もうとした瞬間、それを止めたのは鈴木さんだった。」
樹「なんで？」
「そのジュースに何か薬をいれたみたいで」
樹「えっ？」
「あとから鈴木さんに聞かされたのが、その共演者の人、私に好意があったみたいで、飲み物に睡眠薬入れてお持ち帰りしようとしたんだって。」
樹「マジかよ…」
「その共演者の人とは作品の中では恋人の設定だったから、あとでそれを知ってなんか怖くなって。それ以来、打ち上げとかお酒の席が嫌いになったの。行っても誰かにすすめられたのは絶対飲まないし、席を外して戻ってきた時も絶対新しいのを頼んで飲んでるの。」
樹「あっ、だから昨日、まだあるのにお酒頼んでたの？」
「あれ、知ってるの？」
樹「たまたま見えたから」
本当はたまたまじゃなくて気になってずっと見てたんだけどね。
樹「で、昨日は？」
「あー、昨日は私のせい。私が涼太さんと話しててグラスから目を離してた隙に入れられたみたいで。」
樹「いや、全然カレンちゃんのせいじゃないし」
「そうなんだけど、グラスから目を離しのは私だし、もう帰るだけだからって最後一気飲みしたし。」
樹「カレンちゃんって結構飲める人？」
「家では普通に飲む」
樹「ふーん。酔わないの？」
「酔うかも知れないけど酔うほど飲んだことないから分かんないかも」
樹「じゃあ、今度一緒に飲もうよ」
「えっ？」
樹「別に俺のこと警戒してないでしょ？じゃあ、友達と楽しくお酒飲んでご飯食べようよ。」
「うん、まぁ、樹くんとなら…」
樹「じゃあ、約束ね」
カレンちゃんの前に小指を出し、俺はカレンちゃんと指切りをして約束した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 234人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：LALA
| 作成日時：2022年11月11日 22時
