恐怖 ページ23
2人の討論をしげしげと眺める事数十分。こいつら仕事大丈夫なんだろうか、そんな事を考えつつ一切内容が分からない討議を眺める。おい誰だ頭悪いって言ったやつ！どこの誰が！まさかケーキの話から！戦争戦略の話に！なると思う！！！！戦争の多い国と言え一般市民が戦略について知ってるわけないだろ！
ぽけぇーと眺めていると視界に宙を舞う木片が見えた。はぇ？飛んできた方向を急いで確認すると元々扉があったはずの場所には木片、その先には正拳突きのポーズで眉間にマリアナ海溝を生成したトントンさんが居た。え、割ったの？
｢おいグルさん、ほんまええ度胸してるな｣
｢これはトン氏、城下一周マラソンお疲れ様｣
なんか、すごい怖い。二人から出る殺意マシマシのオーラに物怖じし動けない私を抱き寄せ、部屋の隅に移動するオスマンさん。私を椅子に座らせ、後ろから抱え込むように抱きしめ、私の頭の上に顎を乗せられている。子鹿よろしくプルプル震えていたが、抱きしめられてなんとか落ち着く。しかし呼吸は浅く、目に涙は浮かぶ。
｢Aちゃん大丈夫？今から俺の言う通りにしてな、はいゆっくり息吸ってー、まだ吸うー、ほんで吐いてな、うん、上手やな。｣
｢はっ、はっ…はぁ……。｣
｢ん、落ち着いたなーよかった！ほな諦めて一緒にこれ眺めよか、抱きしめといたるからね！｣
｢ありがとうございます…。｣
部屋の隅の私達には目もくれず言い争いを続けている二人。内容は小学生みたいだが、溢れるオーラは一般人なんて一瞬で閉口させられる。恐怖から後ろのオスマンさんから回される腕をぎゅっと掴むと、私を安心させるようにぎゅっと強く抱きしめられ、そのあと急に背後にあった暖かさが消え、二人の間に入っていった。
｢はいはいストップめう〜｣
｢なぜだオスマン！俺悪くないだろ！｣
｢なんやオスマン邪魔すんなや。こいつが脱走すると困るん俺たちやないか｣
｢Aちゃん居るねんから。な？わかるやろ？｣
ハッとしたように私の方を見る二人。数秒前までとは違い、いつもと変わらぬ姿に戻っていた。
｢ふぁーーっきゅ！！ふあっきゅふぁっきゅふぁっきゅ！！｣
｢Aすまんかった、許せ！｣
｢ああぁあAさん！？ほんますんません！！｣
いつも通りの姿に安堵する。安心から頭がバグり半狂乱になった私の罵声はどうやら廊下にまで響いていたらしく、ついに総統フラれる！ワロス！という噂が立ち込めたのはまた別の話。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 916人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にむ(プロフ) - しゃけ@さん» 気づいてしまいましたか…！いろんな所に動画やTwitterのネタも投入してますのでよければ他も探してみてください！ (2020年12月6日 0時) (
レス) id: 966aa2874f (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ@(プロフ) - 猫？魚？…ハッ、ししゃもねこ…ブロマガ巡回流石です… (2020年12月5日 20時) (レス) id: 5cfff60272 (このIDを非表示/違反報告)
にむ(プロフ) - 幽霊狸の詩花(ｳﾀ)と煽り狐の和琴(ｱｺ)さん» コメ指摘ありがとうございます！うわほんまや誤字ってる……。ご指摘ありがとうございます！助かります……！！ (2020年11月3日 14時) (レス) id: 0f0ceb48a8 (このIDを非表示/違反報告)
幽霊狸の詩花(ｳﾀ)と煽り狐の和琴(ｱｺ)(プロフ) - 幽霊狸の詩花｢どうも、初コメ失礼します。あのいきなりで誠に申し訳ないんですけど、“童貞とパン屑と玄人”の【買いたいグッズ】のところなんですが【解体グッズ】では無いでしょうか？勘違いだったらすみまs(((煽り狐の和琴「コイツのこと狸鍋に…^^」ﾔﾒﾃｯ!」 (2020年11月2日 22時) (レス) id: 931c5ca3e7 (このIDを非表示/違反報告)
にむ(プロフ) - 謎の物体さん» ああああああああDM開けてなかった……！！！めっ、うわ、ほんとすいませんいま開けました…フォロリクも送りました……ほんま、うわ、ほんますんません。よろしくおねがいします……。 (2020年10月5日 13時) (レス) id: 0f0ceb48a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にむ | 作成日時：2020年7月30日 20時
