私、自分嫌いなんで５【俺のスカート、どこ行った？】

君澤の過去 ページ44

周りの皆が原田と仲良くなっていく中で……私と明智はどこか原田を受け入れられずにいた。

授業参観と進路説明会の紙を貰った時……。
正直母親には来て欲しくないと思ったし、案の定｢目立つことしないでね｣と冷たく言われただけだった。

そんな時に……不幸は重なり。
明智の父親が出所してきた。

明智は無理やり学校をやめされられ、父親が決めた職場で200万を返すために働かされた。


そんな時、母親が仕事から帰ってきて私に放った一言があった。

母親｢秀一くんのお父さん……出てきたんですってね｣

君澤『なんで……』

母親｢風の噂で聞いたの｣

母親の情報網は恐ろしいくらいに早い。

母親｢秀一くん偉いわね……父親のために働くなんて｣

母親の言葉に私は絶句した。

君澤『は？ねぇ、秀一がなんで働かされてるか知らないの！？
父親のためなんかじゃない！！無理やり働かされて…お金返させられてんだよ？？』

私は必死だった。
だから、母親の顔が酷く歪んだのを見てなかったんだ。

君澤『秀一は何も悪くない！！なんで……親のせいで……子供が働かないといけないのっ』

私は無意識に自分の感情も込めて母親に言ってしまった。
言葉を続けようとした瞬間、私の頬に熱が帯びた。それが、母親から叩かれたと理解したのは少し経ってから。

君澤『…お母さんっっ？』

母親｢親せい？？貴方も私の事悪者扱いするのね｣

母親の目からはとめどなく流れてくる涙。
私は『やってしまった』と後悔したが遅かったんだ。

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