私、自分嫌いなんで５【俺のスカート、どこ行った？】

君澤の過去 ページ43

でも、母親は私が振り込んだお金を自分の娯楽に使った。
父親が出ていってから、仕事人間だった母親は……異性からの愛に飢えた。

昼間は仕事をし、夜は自分の娯楽に漬け込む。
母親は…変わった。優しさも無ければ……まるで別人の女性に変わった。
私のことも冷たく扱うようになった。

でも、私は母親から奪ってしまった幸せを取り戻そうと、母親の行動を理解していながらも振込み続けた。
高校もなんとか、卒業まで行ければ就職してもっと稼げると………そんな考えで高校生活を過ごそうと思っていた。

でも、高校2年のある日…。全てが変わった。
私が通う豪林館学園高等学校に、新しく来た先生が私たちの担任になった。

スカートを履いてサングラスをして、ずかずかと土足で体育館に入ってきたその教師の名前は…。

━━━━━━━｢原田のぶお｣━━━━━━━

ゲイで女装家の、校長が呼んだ人物。

最初は、皆も原田のことを｢ゲイ｣ ｢やばいおじさん｣ など暴言を浴びせていた。
私は特に何をするわけでもなく、ただ原田の行動を観察していた。

原田のすることは常にめちゃくちゃ、生徒を屋上から飛ばせたり……学校の門を壊したり…。

正直本当にやばいおじさんだと思ってたんだ。
だから、絶対関わらないようにしようってね。

君澤の過去→←君澤の過去

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す